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開発 2021.05.12

ナイアンティックがAR開発者キット「Niantic Lightship ARDK」のベータ版を提供開始

2021年5月11日、「ポケモンGO」の開発・運営等で知られるNiantic(ナイアンティック)は、これまで推し進めてきた「Niantic Real World Platform(リアル・ワールド・プラットフォーム)」の名称を「Niantic Lightship(ライトシップ)」に変更。併せて「Niantic Lightship ARDK(AR開発者キット)」のプライベートベータ版提供を開始しました。同ARDKの利用登録はこちらから。

ナイアンティックは、以前よりARプラットフォームの開発を進めています。2020年12月にはAR開発者キットのアルファ版事前登録を開始。今回、新たにプライベートベータ版の登録を開始した形となります。この「Niantic Lightship」は「Ingress」「ポケモンGO」そして任天堂と開発中の「ピクミン」をベースとしたアプリなど、ナイアンティックが開発・提供するARアプリで使用されています。

バックエンドのサーバー機能等を内蔵、セグメンテーションも改善

「Niantic Lightship ARDK」は、深度や物理挙動、オクルージョン、セマンティックセグメンテーションなどを用いてリアルなAR体験を実現するツール群。マルチプレイヤーで体験・リアルタイムで共有可能なARコンテンツを作成するための機能を備えています。

ARDKについて、ナイアンティックは以下の3つの主要分野の強化を行い、様々な最新ツールを組み込んでいるとのこと。

・高度なメッシングによるリアルタイムのマッピングがスマートフォンカメラの技術とニュートラルネットワークとを結びつけ、空間をテッセレーションした三角形のメッシュにマッピングして、物理的な世界を機械的に読み取り可能な形にします。「Niantic Lightship ARDK」はメッシングによって仮想オブジェクトに「物理」を実現しています。

・ベータ版になって改良されたセマンティックセグメンテーションは、地面、空、建物など、空間のさまざまな特徴を区別し、仮想オブジェクトをその空間でリアルに見たり、感じたり、動かしたりすることが可能です。「Lightship」は空間のさまざまな屋外オブジェクトを自動的にセグメント化し、ARコンテンツの比表面積との相互作用を可能にします。

・マルチプレイヤー機能を強化したことで、コロカリゼーション、ネットワーキング、同期が改善され、最大8人のプレイヤーが同時に同じ現実世界の空間で同じAR体験を共有できる、没入感のあるマルチプレイ体験を実現できるようになりました。P2P型のメッセージ機能とバックエンドのサーバー機能が内蔵されているため、開発者の方々はプレイヤーが共有する体験の作成の開発に注力いただけます。このようなコンテンツのアンカリングは現在のところ一時的なものですが、長期的な仮想コンテンツのアンカリングにより、長く利用できる次世代のAR体験を作成いただけるようになると考えています。

(引用:Niantic


ナイアンティックのLightshipチームは今後の展望として、「Nianticは世界の3Dマップを作ることで、ARの未来をより完全に実現できると考えています。これをゴールに、仮想測位システム(VPS)と位置情報、持続的なコンテンツアンカリングを正確に活用し、世界中で利用できるAR体験を作り出すことができる高度なツールを構築しています」とコメント。続く形で、「開発者やブランド、クリエイターの方々と協力し、それぞれの目的に沿い、利用者の方々に価値を届けることができるARアプリの作成を目指しています。皆さんのパートナーとして、どのようなものが作り出されるかを楽しみにしています。」と結んでいます。

(参考)Niantic


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