新型コロナウィルスの影響で、自宅から参加するオンラインミーティングが普及しています。手軽な一方、「同じ場にいる」という感覚を持ちにくい、とする意見がたびたび聞かれます。
この対策として、マイクロソフトはコラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」に新たな機能を盛り込みます。参加者が同じ場所にいるように見せ、コミュニケーションを円滑にする”Together mode”です。
同じ場にいる様子を投影
”Together mode”はAIのセグメンテーション技術を用い、会議の参加者を同じ背景に配置します。人々の上半身や手だけを抜き出し、ちょうど机に向かって座っているようにレイアウト。画面に映る様子からは、参加者が一堂に会したように見えます。
マイクロソフトによれば、参加者が実際にいる場所の背景を映さないことで、互いの表情や身振りといったものにより注意がいきます。こうして、離れていても非言語のコミュニケーションが実現し、ミーティングへの集中度が高まるということです。
開発者のJaron Lanier氏はこの機能が、人の認知やコミュニケーションに関する同社の最新の知見に基づき生まれたとしています。
「Together modeを使用する人たちは、バーチャル空間内でお互いがどこにいるかを理解できます(中略)画面をグリッド線で区切った(訳注:一般的なオンライン会議の)際には、相手がスクリーン上で、自分に対してどの位置にいるのかが分かりません。したがって、自然な目線や微妙な意思疎通は困難です」と、同氏は公式ブログに記しました。
自然なアイコンタクトも実現
Together modeではバーチャルな空間内で互いが自然に重なり合う様子が見え、思わずハイタッチをしたくなるほどだといいます。このような要素が、ミーティングを楽しく、集中できるものにするということです。
またTogether modeは、画面越しに難しいアイコンタクトの問題にも挑戦。ユーザーが、視線の合わない状況に気づきにくくすることで、適切にアイコンタクトできている、と感じさせています。
Together modeは、Teamsのオプションとして8月のリリースを予定しています。背景画像には、講演等に使える観客席もラインナップ。今後もバリエーション追加が計画されています。