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3Dモデル活用 2017.10.29

人間の細部まで3Dモデルに マイクロソフトが世界3拠点

ロンドンに拠点を置く企業Dimensionは、人間の動きをキャプチャして3Dデータに変換できる『Mixed Reality Capture Studios』を運営しています。本システムはマイクロソフトが開発したもの。高精細な3Dデータを作成し、VR/ARコンテンツ開発に使用することができます。

『Mixed Reality Capture Studios』とは

『Mixed Reality Capture Studios』はボリューメトリックキャプチャ技術を使用しており、人間の動きを正確にトラッキングして、3Dデータとしてデジタル化します。キャプチャの際には106個ものカメラを使用し、これによって俳優やパフォーマーなどの動きを反映した3Dデータを作成します。作成したデータはVR/ARコンテンツや、2D映像、他の3Dコンテンツに使用することもできます。

このシステムは現在米国のサンフランシスコ、レッドモンド、そしてDimensionの所在地であるロンドンの3箇所で運営しています。Dimensionはマイクロソフトとパートナー提携を結んでおり、VRコンテンツ企業のHammerheadとの共同でシステムの運営を行なっています。

細部に到るまでキャプチャ可能

『Mixed Reality Capture Studios』では顔の動きや、人物が動くことによって生じる服のシワまでをもキャプチャ可能とのことです。VRメディアUploadVRの記者は本システムを用いてキャプチャしたバレリーナの動きのデータを見て、「複雑なディテールまでをもキャプチャ可能で、(ダンサーが)目線を横にやる様や、指の皺までをもキャプチャできる」と述べています。

キャプチャはカメラと、8個のマイクを搭載したリグを用いて行います。リグは必要に応じてスケールを変更することが可能で、より広いエリアをキャプチャしたり、リグを縮小してパフォーマーの動きの細部までをキャプチャすることもできます。製作したいコンテンツの性質に応じて様々なスケールに設定できます。

このキャプチャ技術はゲームや映画製作だけでなく、様々な分野での活用が考えられます。たとえば医療分野であれば患者の患部の詳細をスキャンして、医師が治療プロセスを想定する際のデータとして役立てることができます。

マイクロソフトによると、『Mixed Reality Capture Studios』は小規模のインディースタジオから大企業までが使用できるとのことです。高機能なキャプチャ技術を用いて様々なクリエイターがコンテンツ製作を行うことが可能になることで、より高品質なVR/ARコンテンツを開発できる環境が整いつつあります。

(参考)
UploadVR / Exclusive: Inside Europe’s Amazing New Volumetric Capture Studio, Dimension(英語)
https://uploadvr.com/inside-europes-amazing-new-volumetric-capture-studio-dimension


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