AR/VR業界のみならず、さまざまな業界を巻き込んで話題の「メタバース(metaverse)」。「メタバース通信」では、メタバースに関する世界中の最新情報をキャッチアップ。人々の新たなコミュニケーションや経済の場になるであろうメタバースを形作る、さまざまな情報をコンパクトにまとめてお伝えします。
目次(vol.7)
1. シンガポールのメタバーススタートアップが「The Cooking Game VR」を買収
2. ネクソンCEO、加熱するメタバース議論にもの申す
3. バーチャルタレントやメタバースの導入が進むK-POP業界
4. ナイキがメタバース参入? 複数の商標出願が見つかる
5. AIバーチャルヒューマンのInworld AI、700万ドルの資金調達
シンガポールのメタバーススタートアップが「The Cooking Game VR」を買収
メタバース構築を目指すシンガポールのスタートアップBuzzARは11月8日、「The Cooking Game VR」を買収したと発表しました。「The Cooking GameVR」は2018年にOculus RiftやSteamでリリースされたVRゲームです(Gear VRやOculus Goにも対応)。同ゲームを開発したPlay SpiritのCEO、Ken LimはBuzzARの共同創設者兼CTO。今回の買収を経てBuzzARはメタバース開発をさらに加速していくとのことです。
(参考)EIN Presswire
ネクソンCEO、加熱するメタバース議論にもの申す
日本に拠点を置くオンラインゲーム会社ネクソンのCEO、Owen Mahoney氏が自身のブログでメタバースについての私見を語っています。Mahoney氏はブログで「いま語られているメタバースの議論はユーザー視点が欠けている」と指摘し、真にユーザーに必要なものは何かを述べています。なお、Mahoney氏の同エントリーは英語と併せて日本語およびハングルでも書かれています。
(参考)VentureBeat、Owen Mahoney – Medium
バーチャルタレントやメタバースの導入が進むK-POP業界
(画像元:South China Morning Post)
香港の英字メディアSouth China Morning Postは11月5日、韓国におけるバーチャルタレントやメタバース動向に関する解説記事を投稿しました。同記事では韓国においてメタバース関連の投資が活発であることや、複数のK-POP企業がバーチャルイベントやタレントのアバター化に注力していることなどを具体例を挙げながら解説しています。
ナイキがメタバース参入? 複数の商標出願が見つかる
スポーツアパレルのナイキが、複数の商標を米国特許商標庁(USPTO)に出願申請しているのが見つかりました。出願されているものの中には同社のロゴのほか、スローガンである「Just Do It」のフレーズ、「Jumpman」で知られるロゴなどがあります。申請書類の中に「for use online and in online virtual worlds」(オンラインおよびオンライン上のバーチャル世界での使用)とあることや、同社がデジタルクリエイティブ関連の求人を出していることから、ナイキがメタバース参入を目論んでいるのではないかと推測されています。
(参考)CNBC
AIバーチャルヒューマンのInworld AI、700万ドルの資金調達
AI駆動のバーチャルヒューマン開発を手がけるInworld AIは11月8日、シードラウンドで700万ドル(約7億9,000万円)の資金調達を実施したと発表しました。出資者にはMeta(旧フェイスブック)も名を連ねています。Inworld AIは2016年にGoogleが買収したAPI.AI(現Dialogflow)の元メンバーによって2021年に設立されたばかりのスタートアップ。同社が手がけるバーチャルヒューマンはAIで駆動し、バーチャル空間(メタバース)やVR/ARゲーム内で活動させることができるとしています。