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業界動向 2022.09.14

円安・インフレを受けた「Meta Quest 2」の値上げ影響が明白に。量販店・ECサイト経由の国内販売シェア減少か

8月1日に実施されたVRヘッドセット「Meta Quest 2」は、日本国内での販売台数に値上げの影響が出ているようです。家電量販店・ECサイトの実売データに基づく「BCNランキング」によれば、VR/ARヘッドセット市場で全体の8割を占めていた「Meta Quest 2」の販売シェア率が、4割前後減少しています。

20,000円超えの値上げの影響が如実に、円安と世界的なインフレの影響受け

公開されたデータは、全国の家電量販店とECサイトのみの実売台数を集計したもの。NrealやPico Tecnology、ソニー・インタラクティブテインメントなど、Meta以外も含む主要VR・ARヘッドセットメーカーの国内における実売台数の推移が確認できます。

VRヘッドセット「Meta Quest 2」(旧Oculus Quest 2)は、2020年9月に発売され、直後の10月には出荷台数全体におけるシェアは86.7%まで上昇。以降、Metaは高い水準でVR・ARヘッドセット市場の出荷台数シェアを維持していました。

しかし2022年8月、Metaは20,000円超えの値上げとなる価格改定を発表し、シェア数値は急落。8月時点のシェアは42.5%、前月の75.6%から33.1ポイント下落しています。値上げに伴う駆け込み需要もあり、在庫不足と反動減が発生したようです。

一方でエレコムのVRゴーグルが急伸していますが、これはスマートフォンを差し込むタイプの、3DoFのVRゴーグルと思われます。単体で動作し6DoFのトラッキングを有する「Meta Quest 2」とはまったく性質の違う商品です。

市場全体への影響も。店舗・EC経由の販売台数は3年前の規模感に

「BCNランキング」は、VR・ARヘッドセット市場全体の販売台数指数も公開しています。このデータによると、2019年8月の販売台数を100とした指数は、「Meta Quest 2」(旧Oculus Quest 2)が発売された2020年10月に「398.9」と急拡大しています。その後は一度も100を下回らず、価格改定前の2022年7月は「206.1」の規模を維持。しかし、価格改定後の8月は「93.3」と、2019年8月時点の販売台数水準を下回っています。

「BCNランキング」は、日本全国の主な家電量販店やネットショップから、様々な製品の実売データを集計しています。今回参照したデータは、Metaの公式サイト経由や一部店舗での購入データを含まず、家電量販店やECサイトでの購入データに留まる点に注意が必要です。

(参考)BCN+R

(※2022/09/20/12:00……「出荷台数」となっていた箇所を「実売台数」に修正)


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