Magic Leap社は、MRヘッドセット「Magic Leap One」のLumin OSとSDKのアップデート予定を発表しました。Lumin OSはバージョン0.97、SDKはバージョン0.22に更新。新要素として、オクルージョンマスキング機能を含むハンドトラッキングや、“独創的な”マルチプレイヤー機能などが実装されます。
オクルージョンマスキング機能で“より現実らしく”
Magic Leap Oneには、前回のアップデートで手の関節/骨格を認識するトラッキング機能が実装されていました。今回はそれをさらに強化し、開発者はAPIを通じて手のメッシュを使用できるようになります。
例えばMRで表示したオブジェクトの前に手をかざすと、現実の物体に手をかざした時のように、手が視界の中にあるMRオブジェクトを遮ります。さらにこのオクルージョン機能は手のみならず、保持しているMRオブジェクトにも適応されるとのこと。
またMagic Leap Oneのハンドコントローラー「Control」もアップデートを予定。今回の更新で同コントローラーは「Lumin OS」の“デフォルト・インタラクション(the default interaction)となるとのこと。
マルチプレイヤー機能も拡張
2019年2月に公開されたマルチプレイヤーシステム「Map Merge」がパブリックベータ版となり、自由に利用可能となります。このパブリックベータ版Map Mergeは、Lumin OSに、“独創的な(out of the box)”マルチプレイヤー体験のサポートを可能とします。
「Map Merge」に関するアップデートは、Professional Developer packageを保有するユーザーには既に配信されています(2019年7月23日リリース)。その他のユーザー向けには、7月31日に配信が行われます。
音楽アプリも実装
アップデートに伴い“コンシューマー向け”音楽アプリ「Overture」がMagic Leap Oneに実装されます。同アプリはサードパーティー製アプリをMagic Leap社のバックグラウンド音楽サービスに統合、基本的な音楽再生機能が可能となります。
その他のアップデート
今回のアップデートでは、その他にも様々な新要素の実装や改善が導入されます。代表的なものは以下の通りです。
・イギリス英語、フランス語、ドイツ語に対応。
・ Unity 2019.2を公式にサポート開始(Unreal Engine用のバイナリビルドも、 Epic Launcherを通じて利用可能に)
・OAuthが、C APIを通じてサードパーティーアプリをサポートするように。また「Universe」と「Helio」ブラウザが、OAuthサービスをアプリに統合するにあたって、より好ましいメソッドとしてSecure OAuth Windowを使用するように。
・アプリ内での3D立体視を改善する新たなダイレクト・レンダリングAPIを導入。ユーザーはWebGLで自身の3Dコンテンツをレンダリング可能に。
・アバターチャットが最大6人で使用可能に。
・「Helio」ブラウザにダークモードが実装。
・「Helio」ブラウザに環境ベース(environment-based)のショートカット、ブックマーク機能が導入
・開発者はデスクトップのデバイスストリームにアクセス可能に。
今回のアップデートに関するMagic Leap Oneの報告は、こちら(英語)から全文が確認できます。
(参考)Magic Leap 公式プレスリリース、Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。