11月22日(日)、東京池袋にあるサンシャインシティコンファレンスルームにて「VRまつり2015秋」が開催され、150名以上が参加しました。セミナーではVR開発の参考になるセッションを2時間半に渡って開催されました。
今回は、マウスコンピューター G-Tuneプロダクトマネージャー・小林俊一氏、コンシューママーケティング室室長・杉澤竜也氏による講演「VR元年に備えたPC選びのコツ」のレポートをします。
左から杉澤竜也氏、小林俊一氏。
G-Tuneはもともと、ゲーマーのためにゲームに関する様々なニーズを満たすを提供することを発端としたブランド。同ブランドのPCは、Oculus社の東京ゲームショウ2015でのデモに使用されるなど、VR業界で活躍しています。
「イベントでの汎用性を考えると、十数キロある重くて大きいPCを肩に担いで持っていく訳にはいきません。」と、杉澤氏。しかし、ノートPCではスペックが障害になると解説しました。
製品版Oculus Riftに必要なスペック
Oculusの公式な発表では、nVIDIA GeForce GTX970以上が基準となっています。モバイル向けの最高位のGPUとしては同じnVIDIAの、GeForce 980MというGPUががありますが、これでは要求されるスペックを満たしていません。
「Oculus Rift」が求める推奨環境、GTX970以上に注目。
モバイル向けGPU「980M」では、実質970よりも性能が劣っている。
「あくまでも推奨条件を満たすかどうかという基準ですが。980Mを2枚積んでも挙動が怪しくなってしまうため、デスクトップPCでしか動かないのが現状。」とのこと。スペックを下げても動作できるようなコンテンツを動かすという人であればこういったノートPCでも動作可能です。最近登場したデスクトップPC用のGPUをノートPCに積めるPCに関しては、こういった製品ならば、確実に製品版でも動くとコメント。「G-TuneでもこういったPCの発売をしたい。」と、意欲を示しました。
持ち運べるデスクトップ、G-Tune Little Gear が生まれるまで
現状、推奨スペックを満たせるデスクトップPCの話に移りました。マウスコンピューターでは2015年秋から持ち運べるデスクトップPC「G-Tune Little Gear」の販売を行っています。
企画段階からのコンセプトは、ハンドルがあって持ち運べることだった、とのこと。持ち運ぶために、余分なものを省いてもパフォーマンス面での妥協は一切しておらず、nVIDIA Titan XやAMDのFury Xといった最高性能のGPUも搭載可能です。「高すぎると、使ってもらえないため、小型・軽量にも関わらず良心的な価格に設定」しているとのことです。
そして、やはり注目したいのはハンドルの部分。板金を厚くし、フックで引っ掛けてねじで固定する方式をとっており、本体内に50キロのおもりを入れても十分な強度を保ちます。また、電源ユニットの上に設置されているため、重量バランスにも配慮。工学ドライブを意図的に省くことによって59,800円~という低価格から購入可能です。(パーツ類は購入時に追加可能)
Little Gearは、G-Tuneシリーズとしての埃のたまりやすい部分の掃除がしやすいといった利便性も重視しているとのこと。
VRのことを意識し、ハイパフォーマンスなデスクトップPCを持ち運ぶといった一見無謀な製品も、ユーザーのニーズに合わせて妥協せずに開発し提供しているマウスコンピューター。VR用のPCとして、Little Gearは一考してみても良さそうです。
(参考)
G-Tune公式
http://www.g-tune.jp/desktop/littlegear_h110/