Home » HTCのVRコンテンツ部門VPが退任、移籍先は法人向けAR/VRのSixense


業界動向 2019.05.22

HTCのVRコンテンツ部門VPが退任、移籍先は法人向けAR/VRのSixense

HTCのVR開発チーム・VIVE Studiosのゼネラルマネージャーとして知られるJoel Breton氏が、ハンドコントローラー「STEM」で知られる企業Sixense Enterprises(以下Sixense)のソフトウェア部門Sixense Studiosのプレジデント、および製品開発部門のヴァイスプレジデントに就任しました。

HTC在籍時のBreton氏は「Ready Player One: Oasis Beta」「Knockout League」「Amazon Odyssey」など、様々なVRコンテンツ制作に携わっています。

ハンドコントローラー開発に

Sixenseは、Oculus Rift DK1出荷時点からVRヘッドセット用のハンドコントローラー開発を手掛けていた企業です。当時のOculus RiftのDK1は3DoF(※)機能しか有しておらず、同社の6DoF対応コントローラー「Razer Hydra」はVR開発者から高い評価を受けていました。

(※3DoF:デバイスの向き(回転)のみを認識するトラッキング。向きと位置情報の両方を認識するトラッキング=6DoF)

「Razer Hydra」の成功後、Sixenseは、2013年に新型ハンドコントローラー「STEM」開発のため、クラウドファンディングによる資金調達を開始しました。当時まだOculusやHTCから純正品のハンドコントローラーはリリースされておらず、10月のファンディング終了時までに、60万ドル(約6,600万円)が集まっています。その後、クラウドファンディング終了当時「STEM」の出荷時期は2014年7月を予定していました。

しかし、期日が過ぎても同コントローラがリリースされる様子はなく、数年が経過。2018年10月に、正式に「STEM」の開発中止と出資者への返金が告知されました。

プロジェクトを統括する立場に

2019年5月現在、SixenseはVRとARを活用したヘルスケアやトレーニング、エンターテイメントなど、法人向け分野での業務を行っています。Breton氏は、これらのプロジェクトを率いる立場となります。

Breton氏のSixense入社について同社のCEO、Amir Rubin氏は以下のようにコメントしています。

Joel Breton氏がSixenseに加わることを嬉しく思っております。我々のソフトウェア部門は過去10年間にわたって、VR環境におけるヒューマンインタラクションの中核原理
について理解を深めてきました。

Joelのコンテンツ開発力やクロスプラットフォームに関する見識と、弊社のノウハウが結びつくことは、Sixenseの成長に繋がります。

2019/05/22/19:20……訳出の不備を訂正


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード