米国のスタートアップInnovega社は、独自のアプローチでAR/VRデバイス市場に参入しています。コンタクトレンズとメガネ型デバイスを組合せ、視力矯正をしながら使えるというものです。コンタクトレンズや眼鏡作成時のプロセス簡易化を実現する特許も申請し、米国でも5割以上という視力矯正が必要なユーザーをターゲットにします。
メガネ型デバイス+スマートコンタクトレンズ
Innovegaは、メガネ型デバイスとスマートコンタクトレンズiOptikを組み合わせたプラットフォーム「eMacula」を開発しています。コンタクトレンズには視力矯正機能もあり、日常使いのAR/VRデバイスとして利用できます。
今回同社は、4つの特許を申請しました。いずれもコンタクトレンズや眼鏡を作る際に必要な、視力の測定に関するものです。例えば”Automated eyewear frame design through image capture(画像キャプチャによる自動眼鏡フレーム設計)”など、フィッティングプロセスの簡易化を謳っています。
AR/VRデバイスの相当数が視力矯正必要
Innovega共同創業者の一人Dr. Jerome Legerton氏によれば、米国民の過半数が何らかの視力矯正を必要としており、11%以上がコンタクトレンズを使用しているとのこと。
Legerton氏ら「Innovegaは、AR/VRヘッドセットのかなりの割合が視力矯正用の処方箋や、資格を持つアイケアの専門家の手を必要とすると確信しています。当社のやり方が、我々が”Personalized Extended Reality”と呼ぶ分野を代表するものになるのは間違いないでしょう。また(眼鏡やコンタクトレンズの)自動フィッティングによって、iOptik・メガネ型デバイスユーザーと専門家双方の所要時間をかなり低減することができるはずです」と説明しました。
日常使いのデバイス実現へ
VR/ARデバイスを装着する際の視力矯正への配慮は、まだ確立したスキームがありません。例えばNrealLightは視力矯正用のレンズに交換することで、メガネ代わりの視力矯正を行っていますが、Magic Leap 1は視力矯正機能やオプションを備えていません。
メガネ無しで使えるデバイスの実現に向け、他社でも研究が進んでいます。
(参考)PRNewswire、Innovega