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業界動向 2025.01.06

イギリスで政府機関が「メンタルヘルスケアXR」開発を支援 総額約7億円を助成

英国のイノベーション推進機関であるInnovate UKは、メンタルヘルスケア向けXR技術の開発プロジェクトを支援する新たな公募を開始しました。総額370万ポンド(約7億円)の助成金を用意し、VR/ARなどXR技術を活用した新しい治療ソリューションの開発を目指します。

Innovate UKは、英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の傘下にある国立イノベーション機関です。「2035年までに英国をグローバルなイノベーションハブにする」というビジョンのもと、企業の成長支援や新製品・サービスの商業化を後押ししています。具体的には、技術開発に必要な専門知識や設備へのアクセス支援、パートナーシップの構築、助成金や融資を通じた資金提供などを行っています。

今回の募集は「Mindsetプログラム」の一環として実施されます。Mindsetプログラムは2022年から2026年にかけて実施される大規模な取り組みで、総予算2000万ポンド(約38億円)を投じて英国のデジタルメンタルヘルスケア分野の発展を目指しています。これまでに630万ポンド(約12億円)が企業に提供され、XR技術を活用したメンタルヘルスケアの実用化に向けた研究開発が進められてきました。

本募集では、中程度から重度のメンタルヘルス症状に対応するXRソリューションの開発計画が求められます。特に教育、雇用、日常生活に影響を与えるメンタルヘルスの課題解決に焦点を当てた取り組みが重視されるとのこと。

開発されるソリューションには、VR、AR、MR、ハプティクス、ホログラム、没入型ソフトウェア、没入型オーディオなどのXR技術の活用が必須。20万~30万ポンド(約380万~570万円)の予算規模で、12~18カ月のR&D期間を経て実証実験が可能な段階まで開発を進めることが求められます。

応募資格は英国に拠点を置く企業に限定されており、学術機関や慈善団体、研究機関との共同プロジェクトも推奨されています。また、規制当局の承認取得の可能性や、既存の医療システムへの統合のしやすさも重視されます。

(参考)Auganix


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