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業界動向 2025.03.31

ナップスターを買収したのはなんとXR企業 米Infinite Realityが2億ドルで

米Infinite Realityが、音楽共有プラットフォームNapsterを2億700ドル(約3,100億円)で買収しました。この戦略的な買収は、同社が推進する没入型テクノロジーの可能性を示す注目すべき動きとなっています。

Infinite Realityは、2019年に設立された空間コンピューティング企業です。同社は、人工知能(AI)やXR技術を活用し、デジタルメディアやeコマース領域のイノベーションを推進することを目指しています。2025年1月には30億ドルの資金調達を成功させ、事業拡大に弾みをつけています。これまでにGoogle Cloudとの戦略的提携や、中東での事業拡大に取り組んでいます。

Infinite Realityはここ数年、複数の企業買収を積極的に展開してきました。Dubai-based Landvault(現iR Enterprise)を4億5,000万ドル、Drone Racing Leagueを2億5,000万ドルで次々に買収。さらに2024年10月には英国のAR/VR技術企業Zapparを4,500万ドルで買収し、WebXRプラットフォーム「Zapworks」などの製品群を統合しています。

一方、Napsterは、1999年に音楽ファイル共有ソフトとして登場し、初期には違法な音楽データ交換で大きな議論を呼んだプラットフォームでした。メタルバンド・メタリカとの著作権訴訟で有名になったこのサービスは、その後、合法的な音楽配信サービスへと進化し、複数の企業に買収されてきた経緯があります。

Infinite Realityは、Napsterを買収後、3Dバーチャル空間での新しい音楽体験を提供する計画を明らかにしています。Infinite Reality社CEOのジョン・アクト氏は、この買収によりアーティストとファンのための新しいプラットフォームを創造し、インターネットを2Dから3Dの対話型空間へと変革する構想を示しています。

Napsterは引き続き、Robloxにも所属していたことのあるCEO Jon Vlassopulos氏が率いるとのこと。買収後のビジョンとして、3Dバーチャル空間でファンとアーティストが直接交流できる次世代のプラットフォーム開発を掲げています。具体的には、バーチャル会場でのライブコンサート、ソーシャル音楽プラットフォームの開発、デジタルコンテンツやグッズの販売、イベントチケットの発行などが含まれます。

(参考)Road to VR

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