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投資 2021.09.03

Apple出身者創業のスタートアップが約100億円調達 コンピューティングの未来を創る

サンフランシスコを拠点とするスタートアップHumaneがシリーズBラウンドで1億ドル(約110億円)を調達しました。Humaneは具体的な製品やサービスは一切公表していませんが、同社の何が投資家を引き付けているのでしょうか。

Apple出身夫妻が創業

Humaneは2017年創業。今日に至るまで1製品もリリースしておらず、事業計画についても多くを語っていません。しかし2020年にはシリーズAラウンドで3,000万ドルを調達し、企業評価額は1.5億ドルに。今回シリーズBラウンドの出資者は、リードインベスターのTiger Global Managementをはじめ、ソフトバンクグループやクアルコムベンチャーズといったそうそうたる顔ぶれです。

Humaneに期待がかけられている理由の一つは、同社の創業者であるとメディアTechCrunchは分析しています。共同創業者のImran Chaudhri、Bethany Bongiorno夫妻は共にAppleの出身。CEOのBongiorno氏はソフトウェアエンジニアリングのディレクターを務め、チェアマンのChaudhri氏は元デザイン部門のディレクターとして20年間、iPhoneやiPadといった主力製品に携わってきました。また両名とも多くの特許を取得しており、一部は個人に帰属しています。

Humane公式サイトより)

50近くのポストを募集中

最新の特許には、“Wearable multimedia device and cloud computing platform with laser projection system(ウェアラブル・マルチメディアデバイス及びレーザープロジェクションシステムを備えたクラウドコンピューティング・プラットフォーム)”、“System and apparatus for fertility and hormonal cycle awareness(妊孕性とホルモンサイクルのための装置・システム)”といったものがあります。

公式サイトには、カメラやコンピュータービジョンの経験を持つエンジニア、デザイナーやセキュリティーの専門家など様々なポストが並びます。なお同社は既に約60名の従業員を要しており、この点も投資家にとって魅力的なポイントであると、TechCrunchは挙げています。

知性の時代に向けたデバイスを開発

公式声明で両氏は、「Humaneは、純粋なデザインとエンジニアリングのコラボレーションにより、人々が真にイノベーティブに慣れる場所です(中略)当社は、我々が”知性の時代(intelligence age)”と呼ぶものに向けた、デバイスとプラットフォームを構築しています」と発表しました。

またその後のTechCrunchの取材に対し、「人間の経験をより良いものにし、善意から生まれる技術・我々を自分自身や回りの人、そして周囲の世界と共鳴し合う状態に戻すもの・魔法のようで喜びをもたらすインタラクションと、信頼に基づく経験」の創造を計画していると説明しています。

詳細は不明ながら、一風変わったアプローチで事業を進めると見られるHumane。今後の動向に注目です。

(参考)TechCrunch


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