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活用事例 2017.10.02

Huaweiの次世代プロセッサ、スマホのAR機能を加速

9月上旬、通信機器メーカーのファーウェイ(Huawei)は、ドイツで開催中のベルリン国際コンシューマ・エレクトロニクスショー 2017(IFA BERLIN 2017)にて、初のAI向けSoC(モバイル機器等向けのプロセッサ)Kirin 970を発表しました。

Kirin 970は、世界初のAI処理を行う専用プロセッサ「NPU(Neural Network Processing Unit)」と初めて統合したSoCです。従来のCPUやグラフィック処理を行うGPUよりも高速な処理速度を実現することができるといいます。

世界初のAIモバイル・コンピューティング・プラットフォームKirin 970

「従来のCPU/GPU/DSPをコアとするコンピューティング・フレームではAI時代の膨大な量のデータを処理する需要に対応できなくなるため、NPUにより革新的なモバイル・コンピューティング・フレームを設計しました」と、ファーウェイコンシューマービジネスグループの余承東氏は述べました。

余氏によると、Kirin 970のAI性能の密度はこれまでのCPUとGPUをはるかに超えているおとのこと。これまでクラウド側に頼っていたAI機能を携帯端末内に処理できるようになるため、効率が大幅に向上します。

Kirin 970に内蔵されたNPUは、CPU、GPUおよびDSPと統合して革新的なHiAI人工知能モバイルコンピューティングプラットフォームを構成しています。

高速な演算性能でスマホAR機能を加速へ

Kirin 970は、TSMCの10nm製造プロセスを採用しており、100平方ミリメートルのスペースに55億のトランジスタを統合しました。

また、同様のAI APPミッションを処理する際、およそ50倍のエネルギー効率と25倍の性能的優位性を実現するとのこと。つまり、Kirin 970チップは、より高いエネルギー効率比でAIコンピューティングミッションを完了することが可能です。

例えば、画像認識スピードについて、1分間で2000枚の画像を処理でき、電力効率も向上させています。スマホAR機能の発展を推進すると見込みです。

Kirin970のスペック

・TSMCの10nm製造プロセス、100平方ミリメートルのスペースで55億のトランジスタを統合

・4つのARM Coretex-A73コア(2.4Ghz)と4つのARM Coretex-A53コア(1.8Ghz)を搭載

・NPU内蔵、演算性能が1.92TFP 16 OPSに達す

・ISP内蔵、デュアルイメージシグナルプロセッサでノイズリダクションを強化

・HDR10機能対応、4k撮影可能

・GPUの最適化により20%の性能&最大50%の電力効率を達成

・4.5G環境モデム内蔵、LTEのCat.18に対応、下り最大1.2Gbpsの通信可能

・4*4のMIMOに対応、通信速度向上

Kirin 970チップを搭載したファーウェイの次世代Mateシリーズ製品は、10月16日にドイツのミュンヘンにて発表される予定です。

(参考)
华为麒麟970发布 加码NPU背后的野心是AR技术
http://www.87870.com/news/1709/28539.html

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