9月上旬、通信機器メーカーのファーウェイ(Huawei)は、ドイツで開催中のベルリン国際コンシューマ・エレクトロニクスショー 2017(IFA BERLIN 2017)にて、初のAI向けSoC(モバイル機器等向けのプロセッサ)Kirin 970を発表しました。
Kirin 970は、世界初のAI処理を行う専用プロセッサ「NPU(Neural Network Processing Unit)」と初めて統合したSoCです。従来のCPUやグラフィック処理を行うGPUよりも高速な処理速度を実現することができるといいます。
世界初のAIモバイル・コンピューティング・プラットフォームKirin 970
「従来のCPU/GPU/DSPをコアとするコンピューティング・フレームではAI時代の膨大な量のデータを処理する需要に対応できなくなるため、NPUにより革新的なモバイル・コンピューティング・フレームを設計しました」と、ファーウェイコンシューマービジネスグループの余承東氏は述べました。
余氏によると、Kirin 970のAI性能の密度はこれまでのCPUとGPUをはるかに超えているおとのこと。これまでクラウド側に頼っていたAI機能を携帯端末内に処理できるようになるため、効率が大幅に向上します。
Kirin 970に内蔵されたNPUは、CPU、GPUおよびDSPと統合して革新的なHiAI人工知能モバイルコンピューティングプラットフォームを構成しています。
高速な演算性能でスマホAR機能を加速へ
Kirin 970は、TSMCの10nm製造プロセスを採用しており、100平方ミリメートルのスペースに55億のトランジスタを統合しました。
また、同様のAI APPミッションを処理する際、およそ50倍のエネルギー効率と25倍の性能的優位性を実現するとのこと。つまり、Kirin 970チップは、より高いエネルギー効率比でAIコンピューティングミッションを完了することが可能です。
例えば、画像認識スピードについて、1分間で2000枚の画像を処理でき、電力効率も向上させています。スマホAR機能の発展を推進すると見込みです。
Kirin970のスペック
・TSMCの10nm製造プロセス、100平方ミリメートルのスペースで55億のトランジスタを統合
・4つのARM Coretex-A73コア(2.4Ghz)と4つのARM Coretex-A53コア(1.8Ghz)を搭載
・NPU内蔵、演算性能が1.92TFP 16 OPSに達す
・ISP内蔵、デュアルイメージシグナルプロセッサでノイズリダクションを強化
・HDR10機能対応、4k撮影可能
・GPUの最適化により20%の性能&最大50%の電力効率を達成
・4.5G環境モデム内蔵、LTEのCat.18に対応、下り最大1.2Gbpsの通信可能
・4*4のMIMOに対応、通信速度向上
Kirin 970チップを搭載したファーウェイの次世代Mateシリーズ製品は、10月16日にドイツのミュンヘンにて発表される予定です。
(参考)
华为麒麟970发布 加码NPU背后的野心是AR技术
http://www.87870.com/news/1709/28539.html
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