HTC ViveやOculus RiftのようなPCに接続して体験するハイエンドのVRヘッドセットの問題点の1つがケーブルです。ヘッドマウントディスプレイからPCまでケーブルが垂れ下がってしまい、体験時に障害になるだけでなく、体験者の心理的抵抗にもなる可能性があります。
HTC Vive向けにワイヤレスアダプターの製造を行っているTPCAST社は、同じ場所で6人までが同時に無線でVR体験できる企業用のデバイス「Tpcast BE」(TPCAST Business Edition)を発表しました。
VRワイアレスアダプター「Tpcast BE」
「ワイヤレスアダプター」は、無線で快適にVR体験ができるようになるHTC Vive向けのものです。
ワイヤレス化で心配されるデータのロスや遅延も少なく、HTC Viveの高性能なヘッドセットを無線で使えるということで大きな期待が注がれています。個人用の「ワイヤレスアダプター」は予定より数週間出荷が遅れていましたが、中国向けの出荷を開始しています。また、アメリカでも出荷を第3四半期(7月から9月)に開始することを予定しています。
今回この「ワイヤレスアダプター」で企業向けで同じ場所で6人まで同時にVRを無線で体験できる企業向けのビジネス版『TPCAST BE』が発表されました。
TPCAST社によると、両手幅ほど間隔を空ければ6人まで同時にワイヤレスでVRが使えるようになるとのことです。それぞれのユーザーに受信機と送信機が必要となります。
「Tpcast BE」は4機から6機のパッケージで購入可能で、2年の保証付きです。
発売は2017年中とのことですが、価格はまだ公表されていません。
VR体験のワイアレス化
より充実したVR体験のため、ワイアレス化の実現は大きな期待が注がれています。
現在「ワイヤレスアダプター」以外にもIMR(HTC Vive向け、将来的にOculus Rift対応予定)やkwikVR(HTC Vive、Oculus Rift向け)などが登場しており、いずれも2017年の実用化を目指しています。
今後もどのようなVRワイアレスアダプターが開発されるか注目です。
(参考)
TPCAST Announces Business Edition Wireless VR Kit, Up to 6 Simultaneous Users
http://www.roadtovr.com/tpcast-announces-business-edition-wireless-vr-kit-6-simultaneous-users/ (英語)
MoguraVRはRoad to VRとパートナーシップを結んでいます。