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VRがもたらす“パラリアル”な世界とその可能性、各ジャンルの専門家が語る

2019年4月22日、VR展示会イベント「バーチャルマーケット」を主催する株式会社HIKKYは、メディア向けパネルディスカッション「VRから創るパラリアル市場~バーチャルプラットホームに集う人々の新しいライフスタイル」を開催しました。

パネリストとしては船越靖氏(HIKKY代表取締役)、前田裕二氏(SHOWROOM株式会社代表取締役社長)、杉本真樹氏(HoloEyes株式会社取締役&COO、東京大学 先端科学技術研究センター客員研究員)、鳴海拓志氏(東京大学 情報理工学研究科講師)、中馬和彦氏(KDDI株式会社経営戦略本部ビジネスインキュベーション推進部長)、土佐林淳氏(AT PARTNERS株式会社)が参加。

本イベントでは約12万5,000人の集客を記録した「バーチャルマーケット2」の事例をもとに、学術や医療、またビジネスの観点からVR市場の可能性が語られました。


(前列左から坂本達夫氏、舟越靖氏、前田裕二氏。後列左から鳴海拓志氏、杉本真樹氏、中馬和彦氏、土佐林淳氏)

Tips:バーチャルマーケットとは

バーチャルマーケットは、ソーシャルVRサービス「VRChat」上にて開催される、3Dモデル等の展示・即売会です。ユーザーはVR内でアバターとなり、展示された3Dモデルをその場で試着・購入が可能です。第2回のバーチャルマーケットは400サークル以上が出展、べ来場者数は約12万5,000人を記録するなど、大規模なムーブメントとなりつつあります。

"VRコミケ"ここにあり 熱気溢れる「バーチャルマーケット」現地レポ

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参加サークル400以上に急拡大 VR即売会「バーチャルマーケット2」現地レポ

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バーチャルで「モノの価値」が上がる?

パネルディスカッションの冒頭にて、HIKKY代表の舟越氏はバーチャルと現実を行き来する人々のスタイルを「パラレルワールド(並行世界)とリアル(現実)を合わせた“パラリアル(Para-Real)”」と命名。「パラリアルの可能性として、バーチャルでの物の価値が上がる。たとえば、1本120円で売られているボールペンに、バーチャル上でも使用できるボールペンのアバターもセットで付いてくるとしたら、たとえそのボールペンが500円だったとしても購入する人がいるかもしれません」と話しました。


(船越氏)

続けて船越氏は「バーチャルマーケットを常設した場合、10万人以上の規模になります。買い物をスマートフォン経由でできるようになれば、VRに興味がない一般層にもアプローチが可能となり、やがて『パラリアルな都市』といったものが誕生するかもしれない」と、VRの可能性について語りました。

実際の医療や教育の現場で活用されているVR/MR技術

パネルディスカッション「VR関連技術によってもたらされる未来の生活」では、舟越氏、杉本氏、鳴海氏がパネリストとして参加。前半部ではVR/MR(Mixed Reality、複合現実)の活用について、医療の観点からはHoloEyesの杉本氏が、学術の観点からは東京大学 情報理工学研究科の鳴海氏が紹介を行いました。

(杉本氏)

杉本氏がCOOを務めるHoloEyesでは、患者のCTスキャンデータやMRIデータを3次元上に再構築するアプリケーション「HoloEyesXRサービス」を展開しています。VRヘッドセットやMRデバイスを使用し、VR/MR空間で医療データを確認することができます。

本サービスを用いることで、手術前の患部の確認や手術のトレーニング、医療分野におけるコミュニケーションツールとして医療現場や各種教育現場をサポートすることが可能です。患者の医療データは、一人あたり1万円、15分ほどでデータ制作が可能です。杉本氏によれば「医者が患者と一緒にオペ室に入り、麻酔をかけ、滅菌処理をしている間に患者データの生成が完了する」とのこと。


(鳴海氏)

東京大学大学院情報理工学系研究科で講師を務める鳴海氏からは、アバターによる心と身体の関係に関する研究が紹介されました。鳴海氏は「鏡の中の自分の表情をリアルタイム画像処理技術で表情を変化させることで、心理に影響を与えることができる」と言います。鏡に映った表情を少し笑顔にすることで楽しく明るい気持ちに、逆に少し悲しい表情にすると悲しい気持ちになってしまうとのことです。

この原理を利用した例として「ブレインストーミング」が挙げられました。検証では、お互いが笑顔に見えるビデオチャット環境でブレインストーミングを行った場合、何もしない時に比べて回答数が1.5倍になった結果が得られたそうです。鳴海氏は「我々の感情は、生産性や能力できるかというところに影響してきている」と話しました。

また、鳴海氏は身体拡張を通じて能力やコミュニケーションを変化させる工学的手法を「ゴーストエンジニアリング」として研究を進めています。たとえば、VRでアインシュタインのアバターを使うだけで成績が上がるといった事例もあるとのこと。鳴海氏は最後に、「自分の気持ちや思考、能力、運動、行動、そしてTPOに合わせてアバターを使い分ける時代がもうすぐ来るかもしれない」と語りました。

パラリアルはどのくらい未来の話なのか

パネルディスカッションの前半部終了後、モデレーターの坂本氏から「VR技術の活用や一般化は、どのくらいの未来(に起こりうること)なのか?」という質問が鳴海氏と杉本氏に投げかけられました。

杉本氏は「一つのターニングポイントは市販化。医療の場合、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)と保険適用という2つの壁を超えられるのであれば、今年や来年には当たり前になる」と回答。その一方で「身体は実際に対面で触るという行為がないと治療が成り立たないし、VRではアバターによるなりすましの可能性もある」といった課題も挙げられました。

鳴海氏は「身体が心にどう影響を与えるかの研究は始まったばかりなので、活用方法や社会の受け入れ方などを議論する必要がある」と話しました。一例として、「同じ容姿で同じ服装のアバター」を使う人物が多数揃ってしまったら、個々人の持つ個性が失われてしまう問題も考えられます。

一方で、鳴海氏は「ビジネスとしてはまだ時間がかかりそうですが、VTuber(バーチャルユーチューバー)をはじめとする、自分のなりたい自分のアバターで活動する人たちが、社会よりも先行して現れている」とコメント。「我々としても、それを追いかけるように、人に影響を与えるのかというアカデミックな知見を貯め、ガイドラインや良い生活につながるようにしていかなくてはならない」と話しました。

パネルディスカッション後半では、一般にバーチャルが普及する上で必要なことは、「あったら良いなではなく、ないと困るにする」という話に。日々の生活の中にいかにバーチャルを取り入れていくか、どのように工夫すれば組み込みやすくなるかが問われそうです。

バーチャルマーケットに健康診断所を

パネルディスカッション中には、「バーチャルマーケットに健康診断所を作ろう」という話題も。現実の病院で行うCTやMRIなどの医療データは患者が請求することが可能であり、それらのデータをバーチャルに送信、バーチャルで診断結果を受け取るといったことも考えられます。

杉本氏は「例えば、健康体の人が病気の状態をVRで体験することで、病気はマズイ……!と感じ、健康に気を使うようになる、ということも考えられる」と話します。例として、VRだと自分の体型の過去と現在を比較できるため、どのくらい体型が変化したを直接目で見て理解しやすくなるとのこと。そのほか様々な病気をVRや周辺デバイスを使って体験し、病気の理解に役立てるケースも存在します。

5GはVR/ARがポストスマホの時代に。日本は一番「人格が多い」国?

2つ目のパネルディスカッション「パラリアルなライフスタイルの市場的可能性」では、舟越氏、中馬氏、前田氏、土佐林氏がパネリストとして参加。


(中馬氏)
最初の話題は、2020年より商用可が開始される第5世代移動通信方式(5G)。KDDIの中馬氏は、「5Gのイノベーションにより全ての機器が通信できるようになり、リアルの世界がデジタルに取り込まれることで、表現に多様性が出てきます。これまでの、スマホセントリック(スマートフォンが中心となる事象)な時代は4Gで終わりです。5Gはポストスマホの時代が来て、リアルな空間がつながるようになれば、VR/ARは最も分かりやすい形かもしれない」と話しました。

そこで、舟越氏が中馬氏に対し「5GやBluetooth5.1では位置情報はどう変化する?」と質問。中馬氏は「GPSは平面的ですが、立体的な壁面を画像として認識する技術VPSにより、人の位置に合わせたサイネージを出すような、リアルな空間にデジタルな情報が重なっていく社会になっていくのではないか」と答えました。

(※VPS:最大でセンチメートル単位の精度を有する位置特定技術。屋内での正確な位置特定を可能にする)

複アカが表現の可能性を広げる


(前田氏)

ここで坂本氏は中馬氏の話を受けて、「5Gやバーチャルが当たり前になった時代に、ビジネスプロデューサーとして、どういったことを考えているか」とSHOWROOMの前田氏に質問をしました。

前田氏は「日本の人口は減少していってますが、世界一複アカ(複数アカウント)数が多い国でもあり、人格数だと日本が一番多い」とコメント。続けて「人格数が増えると一人あたりのGDPが増える」という仮説を提唱し、「自分とは別のキャラクターを作ることで新たな価値を生み出せる」「本人だとノイズになる物を別のアカウント(バーチャルな人格)として行うことで表現の可能性が広がっていく」と答えました。

また、前田氏は「日本人は顔を晒して表現者になることに対してのハードルが特に高い」ともコメント。ライブ配信プラットフォームであるSHOWROOMがVR分野に投資しているの理由として「VTuberの持つ、生まれ持った制約にとらわれず、自分の内に秘めた個性を表現できることがSHOWROOMの理念と合致したから」と話しました。

バーチャルによるリアル世界への影響

続いてAT PARTNERSの土佐林氏は投資の観点から、「バーチャル内で物の生産と消費が完結するということは、国境のない一つの世界ができるかもしれない」「コミュニケーションのための移動は無くなり、不動産の価値や通貨の存在はどうなるのか」などリアルの世界への影響について話しました。

これに対して舟越氏は、「バーチャルマーケットを作る過程において、リアルの制約に必ずしも合わせて作る必要がないのでは……という思いもあり、新しい常識を作っていったほうが面白い」とコメントしました。

また、土佐林氏は「バーチャル世界の労働から得られた通貨を通して、世界の経済が一つになる。同じ努力で同じ対価が得られる世界になる」とバーチャルの可能性を語りました。

パネリストからの意気込みや思い

ディスカッションの最後には、今後拡大が期待されるパラリアルの市場に対しての意気込みや思いが各パネリストより語られました。

土佐林氏:
VRが発展してもう一つの地球ができれば、法律など色々な問題が出てきます。しかし、人が何を求めているかのサービスを考え、それが受け入れられれば法律は後からついてきます。人が求めているものにはストップはかからないです。
中馬氏:
スマホは普及して10年ほど経った。新しいイノベーションが待たれており、xR(VR/AR/MR)の世界はその選択として一番有力だと思っています。表現が豊かになり、リアルと噛み合う世界はコンテンツの時代と思い、新しいショーケース、たとえば渋谷をアジア・文化的・アイディアの中心、みたいなことができる。その発信源になれたらなと思います。
前田氏:
僕らが貢献できることはハード制約をいかに突破するかだと思っています。VRデバイスを必ずしも前提としないコンテンツから、ユーザーに自分のキャラクターやアバターで生きていきたいという気持ちを強く持ってもらうこと。そして、よりリッチな体験をするための次のステップとして、バーチャル世界への誘導を促していきたいです。
舟越氏:
バーチャルマーケットは集合体であって誰のものでもないです。自分たちの役割はその本質的な物をキープすること。また、様々な物を取り込みつつ、パネルディスカッションなどの議論を通して、どういったものが良いのかを考えていきたいです。




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