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投資 2025.01.29

まるで”外骨格”のような触覚コントローラー開発 Haptikosが260万ユーロを調達

米国と欧州を拠点とするHaptikosは、260万ユーロ(約4億2,000万円)の資金調達を実施しました。同社はXR向け新触覚デバイス「Haptikos hand exoskeleton」を開発。手の甲に装着するクモのような外骨格型が特徴で、2026年の製品版出荷を目指しています。

本資金調達は、EUの研究開発プログラム「Horizon Europe」の助成金支援を受けているコンソーシアム団体XR2IndustryやXR4ED等を介して実施されました。これらの団体は、XR分野の技術開発に取り組むヨーロッパ企業を支援する目的で資金提供を行っています。

Haptikos hand exoskeletonは、手の甲に装着する外骨格型のデバイスで、指先に取り付けられたセンサーを通じて触覚フィードバックを実施します。関節ごとにトラッキング可能なため、片手につき24DoFに対応し、1ミリメートル未満の精度で動きを検出することができます。

バッテリー駆動時間は8時間で、トラッキングセンサーと触覚センサーが搭載されており、2025年後半には運動感覚センサーも追加される予定ですた同時に提供されているソフトウェア「Haptik OS」は、Unity SDKとの統合や、AIを活用した触覚フィードバックのカスタマイズ機能を提供しています。

Haptikosは、従来の手袋型ハプティクスデバイスが抱えていた課題を解決することを目指しています。手袋型デバイスでは、手のサイズの個人差への対応や、長時間使用時の蒸れなどが問題となっていましたが、「外骨格型のデザインを採用することで、これらの課題を克服している」としています。

Haptikosは米国・カリフォルニアとギリシャ・アテネに拠点を置く企業。「人がテクノロジーに適応するのではなく、テクノロジーが人に適応すべきだ」という理念のもと、Greg Agriopoulos氏とVasilapostolos Ouranis氏が共同創業しました。現在、ドイツ製造業大手シーメンス社やイタリア防衛大手レオナルド社などの企業と協力し、開発技術の検証と改良を進めています。

Haptikos hand exoskeletonは医療、防衛、製造業などの分野での活用を想定しています。すでにカリフォルニア大学デービス校医学部(UC Davis School of Medicine)では、産後処置のトレーニングプログラムにHaptikosのデバイスを導入し、医師や学生の手技向上に活用しているといいます。

本調達はプレシード段階の調達であり、資金は開発に充てられます。現状だとデバイス単体価格は2,500ドルですが、2026年の製品版出荷に向けて1,000ドル以下の価格設定を目指しているとのことです。

(参考)Haptikos.IncAuganixGemesBeat


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