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テック 2017.03.13

【360度カメラレビュー】フランス製・iPhone直挿しタイプ「Giroptic IO」は便利で可愛い!

周囲の風景全てをワンショットで撮影できる360度カメラ。まるでその場にいるかのような体験をすることができ、VRを手軽に楽しむガジェットとして広く人気を集めています。またフェイスブックやYouTube、Vimeoといった巨大なプラットフォームも360度静止画/動画に対応していることから、視聴環境も急速に整いつつあります。

今回紹介するのはフランス製の360度カメラ「Giroptic IO」。iPhoneに直挿しするタイプの360度カメラです。

片手で持ちながら簡単に撮影できます!iPhoneは逆さ持ちでカバーは外して使用します

キャリングケース(防水ケースではありません)とUSBケーブルと布が同梱

視野角195度の魚眼レンズが前後に1つずつ付いています

Lightningコネクタの隣にマイクロUSBポートがあります

キャリングケースに入れた状態。可愛いですね!

小さくて可愛らしい外見ですが、高性能かつ便利な機能が搭載された360度カメラです。そして「Giroptic IO」の一番の特徴はiPhoneのLightening端子に接続して撮影する点と言えます。この“直挿し”を採用したことにより、スマホとの連携が非常に手軽になっています。

360度カメラと言えば「RICOH THETA」シリーズを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。性能や価格、そして全国の量販店で買えることから360度カメラのスタンダードの位置を確立していると言えます。また、Galaxyブランドの「Gear 360」も4K動画の360度動画を撮影でき大容量のデータ保存もできることから、特に360度動画の撮影をメインに考えているユーザーからは人気を集めています。

では上の2つの360度カメラと比べて「Giroptic IO」は一体何が優れていて、どういった用途のユーザーに適しているのでしょうか。結論を言えば上述したスマートフォンに直挿しすることによる「iPhoneのディスプレイによるモニタリングと撮影」と「撮影後のSNSシェア」の手軽さです。

「RICHO THETA」はWi-Fi、「Gear 360」はWi-FiダイレクトとBluetoothで接続するため、接続に時間がかかったり上手く接続できないことがあります。「RICHO THETA」と「Gear 360」は単独でも撮影できるのですが、モニタリングしながら撮影したいという場合はやはりスマホにペアリングする必要があります。また、撮影した360度静止画/動画をスマホで視聴、SNSシェアするにはカメラから転送しなければならないのですが、360度静止画・動画はデータ量が大きいことから転送時間が掛かってしまうという問題があります。

・モニタリングしながら撮影したい
・撮影後すぐにスマホで見たい
・できるだけ簡単にSNSでシェアしたい

「Giroptic IO」は、上記の3点を最重要視するユーザーの方には薦めることができる360度カメラです。

「Giroptic IO」の性能(スペック)を比較!

360度カメラに詳しい方なら「RICHO THETA」と「Gear 360」よりも比較して欲しいのは、同じiPhoneに直挿しするタイプの「Insta360 Nano」ではないかと思います。「Giroptic IO」と「Insta360 Nano」を比べてみて、ざっくりした感想を言えば、ハードウェアの性能(スペック)は「Giroptic IO」に、ソフトウェア・アプリの性能(スペック)は「Insta360 Nano」に軍配が上がるように思いました。

「Giroptic IO」の方が新しい360度カメラということもありカメラ自体の性能は良く、ソフトウェア・アプリの性能は発売から多くの更新をして先行する「Insta360 Nano」に一日の長を感じました。ただ、ソフトウェア・アプリの更新については「Giroptic IO」も今後行われることが予想されますので(同じように「Insta360 Nano」も更新されると考えるのが自然でしょう)、この点は考慮する必要があります。

  Giroptic IO Insta360 Nano
解像度(静止画) 3840 × 1920 3040 x 1520
解像度(動画) 1920 × 960(30FPS) 3040 x 1520(30FPS)
F値 1.8 2.0
サイズ 73 x 35(mm) 110 × 33 × 21(mm)
対応機種 iOS 9.0以上でLightning端子のiPhone、iPad、iPod Touch iPhone6 ~ 7(Plusを含む。iPhone SEは未対応)
ライブストリーミング
対応SNS Facebook、YouTube(Twitter、Flickerなどはリトルプラネット画像を共有) Facebook、YouTube、Twitter、LINE、Periscope、Instagram
加工・フィルター機能 なし あり
撮影機能 なし タイマー撮影、HDR撮影
メモリー スマートフォンに本体に保存 micro SDカード(32GBまで)に外部保存可
価格 約30,000円程度 約25,000円程度

※2017年3月現在

個人的に面白いなと感じたのがiPadに接続できる点です。大きな画面でモニタリングできる楽しさと、iPadは公式のケースで自立することができる利便性は魅力に感じました。あとアプリを使う時にiPhoneを逆さにしなくても使えるのも魅力に感じました。「Insta360 Nano」のアプリは常にiPhoneを逆さにしなければなりません。撮影後に少し時間が経ってカメラを挿していない状態の時(隙間時間のできた時など)にSNSにシェアする場合は圧倒的に便利です。

また「Insta360 Nano」と比べるとカメラのみでの撮影ができないことから、例えばドローンに搭載して360度動画を撮影するといった場合は、iPhoneに装着した状態した撮影になるため接続が外れないように注意が必要です。また、iPhoneには360度動画の処理が重たいため発熱の問題も発生します。そのため長時間の撮影にはカメラ単体で撮影できる「Insta360 Nano」の方が適しているように感じました。動画の解像度は「Insta360 Nano」の方が高いというのもあります。

Insta360 Nano(左)とのサイズ比較

ただし、動画撮影後にiPhoneとカメラに触れると「Giroptic IO」の方が熱くありませんでした。iPhoneに接続した状態での動画撮影は「Giroptic IO」の方が安定している可能性があります。

実際に撮影した静止画をInsta360 Nanoと比較

それでは「Giroptic IO」と「Insta360 Nano」で撮影した静止画を比較してみます。埋め込みにはInstaVRを使用しているので原寸大サイズのデータとなります。

●Giroptic IO

 

●Insta360 Nano

 

「Giroptic IO」のレンズはF値1.8なので、明るく撮影することができます。ただ、太陽光や光の当たるところでは色が白飛びしてしまう部分も。ここに関しては今後のソフトウェア・アプリの更新で改善されていくと思われるので、こまめにアップデートしていきたいところです。

また、公式がフェイスブックに投稿した動画も参考に紹介させていただきます。

●Giroptic IO

●Insta360 Nano

欠点と解決方法

スマートフォンに直挿しするタイプの360度カメラの欠点としてよく指摘されるのがリモート撮影できない点。しかしこの欠点はBluetooth接続のシャッターボタンを使うことで解決できます。撮影する前にシャッターボタンをペアリングしなければいけないので一手間かかりますが、Amazonで探すと150円程度で購入できるので、ぜひ一緒に購入することを薦めたいです。これで自撮り以外の写真を撮ることができます。

また、もう一つの代表的な欠点がiPhoneに挿した状態で自立できないこと。例えばテーブルの中央に360度カメラを置くと、テーブルを囲んだ全員が写真に映り、360度カメラならではの楽しみが出来るのですが、これにはテーブルの上で自立させる必要があります。

しかし、これも身近な製品を代用することで解決できます。クリップでiPhoneを挟み込むと自立させることができます。こちらも1個100円程度で買えますし、すでに所有している方も多いと思いますので、ぜひお試しください。もちろんスマホ用の三脚などを使うことでも自立できます。

総評:可愛くて便利!

SNSへのシェアの手軽さなど機能的に便利で、かつ外見の可愛さも魅力的です。スマートフォンのカメラアプリに近い感覚で360度静止画/動画を撮影したいiPhoneユーザーの方には、まず検討すべき360度カメラであると言えるでしょう。

なお、開発元のGiropticによると、日本での発売は行う予定ですが発売時期は未定とのことです。


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