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医療・福祉 2018.08.02

飛行機搭乗への不安をVRで克服 暴露療法より効果的との声も

飛行機に搭乗する際は、様々な手続が必要です。どこに並んで手続をするのか、どうやって保安検査場を通るのか、乗り遅れたらどうしよう…と不安は募ります。

少なからずの人が抱えるこの疑問、懸念を解決するVRコンテンツが現在開発中です。VRを使い、飛行機に乗る過程を一部始終体験して不安の克服を目指します。

従来の暴露療法とは異なる

このVRコンテンツ「Flight VR」を手がけるのは、VR映像会社のVisual Laneと、アートスタジオのChris Bain Designです。飛行機に乗ることに不安のある人に向けて作られた、フォトリアリスティックなコンテンツとなっています。

ユーザーが慣れるために、搭乗前、搭乗中のプロセスが細部にわたって再現されています。離陸前にスクリーンに表示される機内安全ビデオすら省略されていません。

アートスタジオのChris Bain氏は、メディアUploadの取材に対して次のように回答しています。「従来の暴露療法(患者を徐々に恐怖の主因に向き合わせていく治療方法)は、患者にとってストレスで、パニックのようなさらにひどい症状を引き起こすこともあります。しかし『Flight VR』は患者の好きなペース、好きな場所で、搭乗手続きを経験できます」

景色、音など全てを体験

ユーザーはVRコンテンツを通じて、フライト時間の確認から保安検査場の通過、機内で座席を見つけて荷物を収納するといったあらゆるプロセスを確認できます。役に立つヒントも随所で提示され、極力ストレスのない経験が可能です。

「ユーザーが、その場の景色や音も含め、搭乗に関わる全ての出来事を経験することが重要です」とBain氏は説明しています。「『Flight VR』を通じて、ゆっくりと自信をつけ、不安を解消していく」ということです。

このコンテンツは現在、Oculusの開発者支援プログラム「Oculus Start」の支援を受けて開発中です。Bain氏らは年内に完成品をリリースしたいとしており、2018年中に、さらに詳しくコンテンツを見ることができるかもしれません。

VRを用いて不安を克服する治療法は、医療分野でも様々な取り組みが進められています。

(参考)UploadVR


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