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活用事例 2019.06.13

独大手エネルギー会社が変電所をVR化、研修の効率向上と移動時間削減見込む

ドイツの大手エネルギー会社E.On(エーオン)は、自社が管轄する変電所のVR化を行いました。従業員はVRヘッドセット1つで変電所を訪れ、必要な業務をリアルに学ぶことができます。これにより、作業者のトレーニング効率が大幅に向上することが見込まれます。

VR変電所でトレーニング、将来的には複数施設のVR化も

今回E.Onが制作した“VR変電所”はドイツの小さな町ゲベルコフェン(Gebelkofen)のものです。現実に存在する高圧変電所をVR内に再現し、E.OnグループのBayernwerk社においてトレーニング利用を予定しています。

また2019年6月現在では、Bayernwerk社の管轄だけでも750の変電所や開閉所が存在しています。この全施設をVR化することも計画しており、試算によると、全ての変電所をデジタル化した場合は年間で約800から1,000時間の移動時間が削減可能です。このVR化作業には4年を要するとBayernwerk社は見積もっています。

トレーニングの活用実績も

業務にVRを取り入れるのは、Bayernwerk社だけではありません。E.Onグループの他の複数のネットワークオペレーターもVRを活用しており、その用途はメーターの確認、電線の点検、人材採用から研修まで多岐にわたります。変電所だけでなく、VR内に火力発電所を再現する企業もいます。

中でもE.OnグループのAvacon社は、既に2年間採用とトレーニングにVRを用いてきました。トレーニングに関しては、例えば電線の点検現場で作業者の肩越しに手順を見たり、その場をヘリコプターで見るような体験が可能です。実際に現場に行かずとも、様々なシーンをインタラクティブに学ぶことができます。また安全面でのリスクがない点も、VRならではのメリットと言えます。

VRトレーニングの導入進む

ビジネスの現場におけるVR導入は国内外で広がっています。トレーニングでの活用はコスト削減効果が大きいと見込まれており、MoguraVRでも多数の事例を紹介しています。

(参考)Electric Light & PowerE.ON プレスリリース


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