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メタバースは「ほとんど国創り」。100億円投資を決めたグリー傘下・REALITYの挑戦

メタバース。テクノロジーやエンターテインメント、とりわけゲーム業界等を中心に、ここ1,2年で耳にする機会が非常に増えたワードだ。地球上での人の移動が困難なこの時代において、フェイスブックやマイクロソフト、Epic GamesにRobloxといったプレイヤーは我先にとメタバースのフロンティアへ押し寄せている。

この動きは日本にも波及しており、「メタバース」への取り組みを表明する、あるいは決意を新たにする企業は少なくない。折しも2021年8月、グリー株式会社はバーチャルライブ配信アプリの提供を行うREALITY株式会社を中心にメタバース事業への参入を発表、今後2,3年で100億円規模の投資を行うことを明らかにした。

今回Mogura VR Newsでは、そのREALITY株式会社で代表取締役社長を務めるDJ RIO氏(代表取締役社長の荒木英士氏)にインタビュー。同社が目指すメタバースの姿や、メタバースとセットで語られることの多いデータの相互運用性やコミュニティマネジメント、NFTやクリエイターエコノミー、そしてメタバース構築に求められる人材について聞いた。

「手軽に参加できて、ピースフルな世界」をつくる

――REALITYはどのようなメタバースを目指しているのでしょうか? 大きく分けて、こういったサービスには「機能」の側面と「文化」の側面があるかと思いますが。

DJ RIO:

メタバースの機能という観点からは3点あります。「アバターによるリアルタイムコミュニケーション」「3Dの空間が広がっていて、その空間にユーザーが手を加えること、あるいは作り出すことができること」そしてユーザー同士で何かを作ったり提供することで収益を得られる、つまり「クリエイターエコノミーを内包している」ことだとREALITYでは定義しています。いずれもこれまで、2,3年かけてバーチャルライブ配信アプリとしてのREALITY、企業としてのREALITYが行ってきたことの延長線上にあります。

また、REALITYは高価なデバイスやツールを買ったり習得したりしてやっと参加できるサービスではない、多くの人にとってアクセシブルであるということは強く意識しています。REALITYはスマートフォン向けアプリからスタートして、今後もスマートフォンがマジョリティである以上はスマートフォンをベースにしつつ、5年10年といったスケールではAR/VRデバイスの普及に合わせて対応していくでしょう。

――メタバースとしての「文化」という観点ではいかがでしょうか。

DJ RIO:

REALITYがこれまで作ってきた3Dアバターモデルのタッチやクオリティが高く評価・支持されているということもあり、まずは「アニメタッチのアバターが好きな人がたくさんいるコミュニティと世界観」というポイントから作っています。

コミュニティという観点から話すのであれば、REALITYでは平和なコミュニティを形成できるようかなり強く意識しています。ギスギスした感じの場所はREALITY内にはあまりないし、変なことをするとすぐユーザーから通報されるようになっている。絵柄や機能など、いろいろな側面から「悪いこと」をしづらい空気を作っています。幸いなことにユーザーの皆さんも気に入ってくれていますし、このピースフルな雰囲気は続けていきたいです。

――他方で「治安がよくなる」というのはカオティックな活力、もっと言い換えると自由度、あるいは「何でもしてよさ」を失うことにもつながっています。この点については、どのような考えから「治安のよさ」を選んでいるのでしょうか。

DJ RIO:

正直、サービスとしては「なんでもあり」の方が管理コストも低くスケールしやすいのは事実です。一方でそういうコミュニティにかなり疲れている人たちも多いのではないかと。最近はSNSを見るとみんなが自分の正義を主張し合ってなにかを攻撃してたりして、ギスギスしているように感じる人も多いと思いますし、そうじゃない場所があっても良いと思うんですよ。そういう意味で、REALITYは先述したような平和なコミュニティを目指しています。

「メタバース」と名付けられたことで、様々な業界の目的地が決まった

――メタバースを目指している企業としてはEpic GamesやRobloxなど、特にゲームと近いプレイヤーが有名です。一方でフェイスブックやマイクロソフトもメタバース路線を公言していますが、これらの企業がメタバースを目指す動きについてはどのように考えていますか。

DJ RIO:

最近、僕は「メタバース」はとても良い言葉だと思っていて。様々な業界や分野が思い描いていたけれど、それぞれ違う言葉を使って表現していたビジョンや目標に「メタバース」という名前がついた結果、みんなが使いはじめた。したがって企業ごとにメタバースへの取り組み方や角度は違うのですが、自分たちも目指すところは近いのでいずれも参考にしています。

例えばEpic Gamesのティム・スウィーニー氏は2018年頃からずっとメタバースの話をしています。彼らは人間がオンラインで過ごすためのインフラに対して戦略的な買収や投資を続けていることもあり、グランドデザインという観点からは非常に参考になります。フェイスブックは「ソーシャルVR」といった言葉を過去にも使っていましたが、「VR」や「AR」という言葉を使うとユーザーや市場からのイメージがハードウェアに寄りすぎてしまう。だから「メタバース」という言葉を使っている側面もあると思います。

DJ RIO:

ゲーム業界や企業から見た話では、メタバースがプラットフォーム的な色合いの強い言葉であることは大きな影響を与えるのではないでしょうか。ここ数年でだいぶ変わったものの、ゲーム業界は「当たるか当たらないかのギャンブル」だと思われている部分が少なからずあり、他業界の企業の事業成績と比べると評価額や時価総額が低いケースも多々あります。ここに「メタバース」という言葉が持つニュアンス、つまり長期間継続するプラットフォームビジネスであるという部分が、投資家向けに見せたい業界の方向性にピタッとハマるんです。

――8月にはナイアンティックのCEO、ジョン・ハンケ氏が「メタバースはディストピアの悪夢です。より良い現実の構築に焦点を当てましょう」という記事を公開していましたが、同氏のメタバース観についてはどうお考えですか。ナイアンティックやハンケ氏は、バーチャルな世界に没入し続けるのではなく、テクノロジーを用いて人々を外に連れ出すこと、リアルでつながること、現実の世界を再発見することを中心軸に据えています。

DJ RIO:

ハンケ氏の論は文中で「メタバース」の定義を狭くしているように思いました。あれは「メタバース」をあえて「ディスプレイの前で長時間オンラインゲームをプレイする」や「部屋でVRヘッドセットをつけて没入してずっと遊ぶ」といったイメージに置き換えたうえで、ナイアンティックがやっているARや位置情報ゲームを中心とした、外に出歩きそこでの出会いを楽しもうという世界観と対比させています。REALITYでのメタバースの定義は上述した通りですが、メタバースの定義を本来のものである、リアルと複層的に重なり合う複数の現実と解釈すれば、情報空間がレイヤードされた現実、つまり「ARでポケモンが飛び出してくるような世界」もメタバースです。現段階での定義論争は不毛に思えます。

データの相互運用性と価値の相互運用性

――フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、メタバースの参加者が特定プラットフォームにロックインされることなく、自由に行き来できる「相互運用性(インターオペラビリティ/Interoperability)」が大事だ、と話していましたね。この概念についてはどう思いますか。

DJ RIO:

正直、巨大テクノロジー企業が言っていることなので、半分以上はポジショントークだと思っています(笑) ここ数年、グーグルやフェイスブックといったWebで支配的な企業への社会的な圧力は凄まじいものがありますし、ブロックチェーンに代表される分散型のエコシステムや技術はこういった状況への明確なカウンターですよね。ユーザーも自分のデータを自分でコントロールできるようになることを求めているし、政府や自治体、様々な団体もそうです。巨大テクノロジー企業もそれに賛同せざるを得ないわけです。

とはいえ、僕ら自身も相互運用性は大事な概念だと思います。「なりたい自分で、生きていく。」ことを実現しようと思うと、自分たちが運営するサービスでもそうでないところでも、「なりたい自分」になれるような世界にしていかないといけないですから。

――メタバースはNFT(代替不能トークン/Non-Fangible Token)等とセットで語られるケースも多いですが、これらのデジタルアセット関連技術についてはいかがでしょうか。相互運用性という観点からもたびたび言及される話題です。

DJ RIO:

NFTやトークンエコノミー、デジタルアセットとその相互運用性は、REALITYが目指す「クリエイターエコノミーを大きくしていく」ための手段として非常に有望だと思っています。一方でこれらの技術をどのような組み合わせで、あるいはどのような見せ方や機能として提供していくか、という点は非常に難しいですね。REALITYではこれら専門のスタッフをちょうど探し始めたところです。

DJ RIO:

デジタルアセットに関する重要なテーマとして、「データの相互運用性を確保すること」と「価値の相互運用性を確保すること」は大きく違うと思っています。仮にアバター含めたデジタルアセットを別のメタバースへ唯一性や真正性を担保したまま持ち運べたとしても、他の場所だと価値が低くなってしまうケースはありうると思います。高級ブランドの服やバッグが高価な理由は、寒さを凌いだり物を入れて持ち運んだりといった機能性や物理的なモノとしての価値だけではなく、ブランド自身が世界中のあらゆるところで、ファッションショーや広告などの様々な媒体を通して「これは価値があるんだ!」と主張し、それが人々に認知されているからですよね。この認識が通用しないところではそのままの値段で売ることはできません。

――例えば貨幣や株式と同じように、価値はある種の信用から生じているわけですが、その価値を担保している共通認識までは別のメタバースに持ち運べない、ということですね。違う国に行ったら自国の通貨は使えないように。

DJ RIO:

そうです。デジタルアセットも同じように「これは価値がある」という情報や認知も含めて流通していないと価値がつけられないんです。メタバース間をデータは移動できても、価値の方は簡単には移動できない。こういった観点から、メタバースとデジタルアセットの話は一筋縄ではいかないと思っています。

話がかなり広がったので戻していくと(笑) REALITYはユーザーが自分で行ったことから実経済にもフィードバックが生まれる状態を作りたいと考えているので、メタバース経済圏やブロックチェーンをやりたい、という人は絶賛募集中です。

「無名だけど、思ったよりもみんな稼げてる」世界

――UGCを通してクリエイターエコノミーを掲げるサービスでは、一部の極めて人気の高いクリエイター以外はそれ単独で生活するだけの利益をあげることが難しいケースもあります。REALITYでは、クリエイターエコノミーにおける報酬をどのようなラインで提供したいと考えていますか。

DJ RIO:

REALITYには「REALITYを代表するトップクリエイター」っていないんですよ。事業規模は拡大し続けているし、投げ銭の総額も売上を得られる人も増えている一方で、「誰がトップなの?」ということが分かりづらい、あるいは生じないように設計・運営しています。もちろんスタークリエイターがいることは否定しませんが、その人だけが目立ちすぎないようにするのが大事かなと。

短期的に考えれば誰か一人に利益が集中する構造はやりやすいですし、ランキングも「憧れ」を簡単に生み出せますが、スターになりたかったけどなれなかった人、挫折感を味わう人をどんどん増やしてしまうことに加え、サービスとしてもトップクリエイターへの依存度が上がってしまうので、長期的は不健全かもしれないんですよね。結果としては「無名だけど、すごくたくさんの人が思ったよりもお金を稼げている」状態が一番良いのではないかと思っています。

――こういった状況を作るために、具体的にはどのような工夫をされていますか?

DJ RIO:

REALITYのアプリではパーソナライズが進んでいることもあり、ランキング機能が奥の方に入っていて、かなり積極的に探しに行かないと「一番人気の人」が見つからない作りにしています。ユーザーを競争させるプラットフォームはランキング機能を前面に出すんですが、REALITYはそういう作りにはしていないです。

メタバースのこれからは「とにかくやることがいっぱい」

――少々気が早い質問ですが、メタバースの次の「テック×コミュニケーション」のトレンドはどうなると思いますか?

DJ RIO:

「メタバースを作るぞ!」的な話はだいぶトレンドになりましたが、次はメタバース上で運用される様々なエコシステムだと思います。例えばInstagramはもともと写真を投稿するためのSNSでしたが、次第にモデルやインスタグラマー、つまりインフルエンサーが生まれてタレントビジネスを展開できる場所になり、プロモーション等のために広告ビジネスが展開され、さらにファッションや食料品、雑貨はInstagram上で自社アカウントを作って販売を行うECプラットフォーム的な要素を含むようになりました。

既にメタバース向けのアバターやファッション、空間を作る人に加え、それらを売買する、あるいは広く知ってもらう、楽しんでもらうためのイベントを作る人は既にたくさんいます。今後は第三次産業的なものがどんどん増えていくでしょう。外国語を教えるとか、通訳がいるとか。「メタバースの次」というよりは「メタバース上で」に注目です。同時にREALITYとしてはこうしたクリエイターエコノミー、メタバース上でのエコシステムが花開きやすいような基盤を作っていかないとな、と思います。

――こういった多様なメタバースの担い手としては、どういう能力を持った人が必要になるのでしょうか? 先ほどのお話をうかがっていると、テクノロジーを使ったサービスやコンテンツ産業が近いように思われます。したがって企画(プランナー)、エンジニア、デザイナーがやはり中心になるのでしょうか? もちろん、ユーザーそしてクリエイターも。

DJ RIO:

今のREALITYで言うと、企画やマネージャー、エンジニア、アーティストが主な採用対象ですが、今後さらにビジネスが大きくなれば事業開発を行う人材が必要になるでしょうし、クリエイターエコノミーを形成するための経済システムを設計・運用するエコノミスト的な人材、そしてメタバース内の規制や治安維持のためのポリシーメイキングを行う人材も必要になるでしょう。直近だとREALITYは90%近いユーザーが海外から来ているので、適切なコミュニケーションを取るためのコミュニティマネジメントやローカライズ、サービス開発は多種多様な言語・文化において必要としています。

――これだけ多岐にわたる人材が必要となると、メタバースはある種のコミュニティマネジメントや「プチ国家」の創造のようなものに漸近してきますね。

DJ RIO:

15年以上コミュニティサイトを運営してきた経験から言うと、コミュニティマネジメントってほとんど国の運営なんです。メタバースでも同じで、やることはとにかくいっぱいありますから(笑) いろいろな側面から協力してくれる人を集めて、ユーザーのみなさんと一緒に「なりたい自分で生きられる世界」へと成長を続けたいです。

(了)


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