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活用事例 2017.11.29

ハイエンドVRヘッドセットの四半期出荷台数、初の100万台超え

シンガポールに本部を置く調査会社Canalysは、2017年第3四半期の全世界でのVRヘッドセットの出荷台数が100万台を突破したことを発表しました。

Canalysが集計したVRヘッドセットは、PC向けのOculus RiftやHTC Vive、PlayStation4向けのPlayStation VR(プレイステーションVR、PSVR)などいわゆるハイエンドのVRヘッドセットを指していると考えられます。スマートフォンを使用するGear VRやDaydreamなどのヘッドセットの数は含まれていません。

PSVR、Oculus Rift、HTC Viveの順でのシェア

各メーカーは出荷数を公表していないため、推計値になりますが、合計出荷数100万台のうち、PlayStation VR(プレイステーションVR、PSVR)が49万台、Oculus Riftが21万台、HTC Viveが16万台となっています。この3機種で市場の86%を占めています。

これまで、Superdata社が発表した推計では、2017年第二四半期までの累計出荷台数はHTC ViveがOculus Riftを倍近く販売しているというデータでした。調査会社こそ違いますが、四半期ベースで見た時に直近ではOculus Riftの出荷台数の方が伸びているということを示唆しています。

PCゲーム、VRゲームプラットフォームのSteamが公開しているVRユーザーの内訳でもHTC Viveに比べてOculus Riftのシェアが伸びている状況が何度か報告されています。

各社の値下げにより、一般消費者リーチが拡大

ハイエンドVRデバイスの販売が伸びた理由として、Canalysは各ヘッドセットの値下げに言及しています。CanalysのアナリストVincent Thielke氏は、「VRの一般消費者への普及は価格に高く依存しています。Oculusの値下げ戦略がデバイスの出荷台数を伸ばすことに貢献しています」。

ドルベースで見た際に、Oculus Riftは599ドルからサマーセールを経て定価399ドルへ、HTC Viveは799ドルから599ドルに、PSVRは必需品のPS Cameraが同梱になって価格が据え置きになっており実質値下げになっています。

こうした状況からハイエンドなVRデバイスの一般消費者への販売が着実に進んでいると考えられます。

2018年もかなりの伸びに期待

Canalysは、2018年もVRヘッドセットの出荷台数はかなりの伸びが期待できるとしています。新たに参入しているVRヘッドセットとしてマイクロソフトが展開するWindows Mixed Realityヘッドセット(MRヘッドセット)を挙げており、「ビジネスにおいて、製造業、医療、教育など多くの業界でVRは活用され得る」としており、デルやエイサー、ASUS、HPなどの大手PCメーカーが製造・販売を始めたことで、ビジネス領域におけるVR活用が進むと期待を寄せています。

(参考)
Media alert: Virtual reality headset shipments top 1 million for the first time / Canalys
https://www.canalys.com/newsroom/media-alert-virtual-reality-headset-shipments-top-1-million-first-time


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