アップルは、大手ソフトウェアメーカーのSAPとAR・機械学習の活用で提携します。アップルの機械学習技術Core MLと、SAPの”SAP Cloud Platform SDK for iOS”とを統合し、エンタープライズ分野での利用拡大を進めます。
ARと機械学習が鍵に
アップルCEOのティム・クック氏はSAPの年次イベントSAP Sapphireで同社CEO、Bill McDermott氏と共に登壇。「ARと機械学習は、適切な情報を適切な人物へ、適切なタイミングで伝えるための鍵となります」と述べ、ARを製造業や小売業で活用することの意義を強調しました。
イベントの中で、SAPは一連のエンタープライズ向けアプリケーションやツール、オンライン調査サービスのQualtrics社買収経緯等を説明しました。
これに加えて発表したのが、Macのプラットフォームへの対応です。具体的には下記の4点が挙げられました。
・5月後半にリリースされるSAP Cloud Platform SDKの次期バージョンでは、企業がSAP Leonardoを使いiOSのアプリを開発することが可能になります。
・機械学習モデルをオフラインで使用するために、iPhoneやiPadへダウンロードできます。
・SuccessFactors、Concur、SAP Asset ManagerといったSAPのモバイルアプリがiOSデバイスのネイティブアプリとなります。
・SAPは今後、Mac向けにもネイティブアプリを提供します。
アップルとSAPのパートナー関係
またクック氏は、SAPとアップルが長期間のパートナー関係にあることを振り返りました。製造業や小売業向けに共同でソリューションを提供してきた他、アップルの業績が低迷した時期には、インフラや製造プロセス面でSAPの支援を仰いだということです。
その後2016年にはアプリ開発等で協働。今回そのパートナー関係は、Core MLとARkitへの対応により、機械学習とARの分野へ拡大します。
ARを巡るアップルの動向
アップルはARデバイスの量産開始が噂されるなど、ARへの注力を見せています。6月初旬の年次イベントWWDC2019ではAR関連の発表もあると見られ、注目が集まっています。
(参考)ZDNet