アップルが米国特許商標庁(USPTO)に出願していた、VR関連と思われる新たな特許が複数確認されました。複数のカメラを用いて身体の動きをトラッキングするほか、PCとヘッドセット間の通信を円滑に行うための技術等が記載されています。
各部の動きデータ収集
1つ目の特許の名称は「ボディーポーズ情報の生成(Generating body pose information)」。2019年に出願されており、ユーザーの身体の動きをトラッキングし、関連する動作に活用するというための技術です。特許によれば、トラッキングには複数のカメラとニューラルネットワークを使用するとのこと。複数のニューラルネットワークが身体の各関節をモデル化し、全身のモデルを構成します。
トラッキングが行われる部位は肩関節、膝関節、足関節、拳などが例示されています。海外メディアAppleInsiderは、「拳に関してはハンドジェスチャーなどをトラッキングする一方、脚の動きの収集については別の情報を集めるためではないか」と推測しています。
通信をより円滑に、フォービエイテッド・レンダリングも想定?
2つ目の特許の名称は「アダプティブ・ワイヤレス・トランスミッション・スキーム(Adaptive wireless transmission schemes)」。2019年に出願された、ヘッドセットとPC間の通信をスムーズにするための技術です。
アップルは特許で無線通信の使用を示唆しており、この技術では送信するデータ量を削減するために、両目のディスプレイに映像の各フレームを交互に表示する「インターリーブ(interleaved)」フレーム通信を行うとのこと。
さらに本特許では、「ゲイズ・トラッキング(gaze tracking)」についても触れられています。同機能はユーザーの目線を認識し、その部分の映像の更新が優先される仕組みです。フォービエイテッド・レンダリングによる、周辺部位の更なるデータ削減も検討されているものと思われます。
(参考)AppleInsider