東急不動産SCマネジメント、STYLY、XREALの3社は、スマートグラスを活用したAR観光案内ソリューション「Local Lens AR」の実証実験を実施しました。期間は2026年3月19日から22日の4日間。東急プラザ原宿「ハラカド」館内にて行われました。訪日外国人旅行者が抱える「案内不足」と「言語の壁」を同時に解消することを目的として実施されたものです。
本実証の背景には、スマートグラスをはじめとしたXRデバイスの進化と生成AIの普及があります。現実空間とデジタルをつなぐ体験への関心が高まる一方、訪日外国人旅行者の増加に伴い、多言語対応の不足やスマートフォンを見ながら移動することによる安全面の課題が残っています。原宿は国内外から多様な来訪者が集まる都市観光拠点として、新たな観光体験の社会実装を検証する場として選ばれました。
「Local Lens AR」は、スマートグラスを装着するだけで、かつての原宿の姿と現代の街並みをARで重ね合わせて表示し、歴史的背景や文化的意義をリアルタイムで解説するサービスです。館内のおすすめ店舗情報やメニューも空間上に直感的に表示されます。表示される過去の写真は、表参道・原宿のローカルメディア「OMOHARAREAL」提供のアーカイブ写真を活用しています。今回の実証には訪日外国人旅行者144人が無償で参加しました。
アンケート結果では、回答者の65%が「従来のスマートフォン型観光案内よりも良い」または「圧倒的に良い」と評価しました。飲食エリアの情報をARで確認した後、84%の参加者が当該飲食店への関心を示し、うち65%が実際の入店意欲を示す回答をしています。操作性についても検証が行われました。スマートグラスに表示される情報をジェスチャーで操作する「エアタップ」機能について、「すぐにできた」「やや簡単」の合計が67%となり、初回体験でも高い習熟度が確認されています。
最も印象的だった体験を問う設問では、6階テラスでのシティガイド体験が44%でトップ評価を獲得。フィナーレの花火演出が38%で続きました。歴史・文化コンテンツが参加者のエンゲージメント向上に寄与する可能性が示されています。
収益性の観点では、約30分の体験に対して86%が有料課金への意欲を示しました。妥当な金額として2,000〜3,000円を挙げた回答が最多(36%)となり、有料サービスとしての課金ポテンシャルが確認されました。
3社は今後、本実証の結果をもとに、訪日外国人向けAR観光案内として事業化を含めた展開の可能性を検討していくとしています。


