米Magic Leapは2025年10月29日、サウジアラビア・リヤドで開かれた国際投資会議「Future Investment Initiative(FII)」にて、Googleとのパートナーシップを更新し、協力体制を3年間延長し、拡大すると発表しました。Magic Leapは、これまでのハードウェア開発と販売を行っていた戦略から、日常的に使用できるグラス型デバイスの技術提供へと戦略を移行します。
Magic Leapは2010年からAR研究開発を続けてきました。光学技術や光を伝導するウェーブガイド、複雑なディスプレイ設計、システム統合などARのハードウェア設計の研究を独自に行ってきました。そのための巨額の資金調達を繰り返し、頻繁に話題となってきました。Googleは2014年に5.42億ドルを出資、Magic Leapの初期の投資家であり、2024年には改めて提携を発表しています。
Googleは、2022年に高効率なマイクロLEDディスプレイのスタートアップRaxiumを買収。Magic Leapのコア技術をRaxium由来のマイクロLEDディスプレイと組み合わせることで、映像品質、装着時の快適性、生産性のバランスを保ったディスプレイ搭載AIグラスのプロトタイプを設計したとのこと。
FIIの会場では、GoogleのAI「Gemini」を搭載したディスプレイ搭載AIグラスのプロトタイプが初めて披露されました。デモの様子を見ると、このデバイスはいわゆるARグラスではなく、視界下方に情報をフルカラーで提示する「HUD」(Heads-Up Display)型のデバイスのようです。このデバイスは、今後のAndroid XRエコシステムにおける試作機やリファレンスモデルとして活用される予定です。デモンストレーションでは、Magic Leapの光学技術とGoogleのRaxium microLEDエンジンが統合され、現実世界とデジタル映像が自然に重なり合う様子が示されました。ステージ上で着用されたプロトタイプは、軽量でスタイリッシュな外観と快適な装着感を備えており、自然な視覚体験を可能にします。
両社は今回、既存の協力契約を3年間延長することを決定しており、ARエコシステムの発展を一層加速させる狙いです。Magic Leapは今後、AR分野に参入する企業や、ARグラスの開発・生産を強化するテクノロジー企業に対して、積極的な支援を行っていく方針です。
Googleは2024年12月、グラスからヘッドセットまで、多様なXR・AIデバイスを統合するプラットフォームとして、Android XRを発表しました。その第一弾のデバイスとして、サムスンとクアルコムとの連携によるMRヘッドセット「Galaxy XR」を2025年10月に発表しています。また、サムスンからもAndroid XR対応のAIグラスが2026年に発売されることが宣言されていました。メガネメーカーのGentle Monsterとのコラボにも言及されました。
Googleのディスプレイ搭載AIグラス発表が続いています。一方、AIグラスの分野ではMetaが先陣を切っています。世界最大手のアイウェアメーカー、エシロールルクソティカとの提携を強化し、「Ray-Ban Meta」「Oakley Meta」など複数のAIグラスを市場投入し、人気商品として成功させています。そして、ディスプレイ搭載のAIグラスについては、Ray-Banとのコラボによって2025年9月にはMeta Ray-Ban Displayを出荷しました。Meta Ray-Ban Displayは、ハードウェアとして高い評価を集めています。
Googleの相次ぐディスプレイ搭載AIグラスの発表は、Google、そして提携するハードウェアメーカーがこれからMeta Ray-Ban Displayと同等かそれ以上のハードウェアを発売することを期待させます。
参考
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