トランプ政権発足以降、米国と中国の間でエスカレートしている関税摩擦が、VRヘッドセット市場にも影響を及ぼしています。2025年4月時点で、中国で製造された電子機器に対する米国の追加関税措置が強化され、VRヘッドセット製造を手がけるPimaxやBigscreenが対応を発表しました。
米国は以前から中国からの一部輸入品に対して関税を課してきましたが、2025年4月には関税対象品目が大幅に拡大されました。これにより、主に中国で製造されているVRヘッドセットや製造部品も高関税の対象となります。関税は、外国から輸入する製品にかけられるため、米国が関税を引き上げることで中国製品の価格が上昇し、米国内での販売価格に影響が出ます。メーカー側はこの追加コストを吸収するか、最終的に製品価格に上乗せする必要があります。また、物流など貿易に関係する企業に広範に影響が出始めています。
販売価格の引き上げ
中国・深センに本社を構えるPimaxは、高解像度のPC向けVRヘッドセットで知られるメーカーです。代表的な製品には「Pimax Crystal」や、軽量型の「Crystal Light」などがあります。今回の関税強化により、Pimaxは2025年5月から米国での販売価格を引き上げると発表しました。Crystal Lightについては、現在の699ドルから200ドル値上げされ、899ドルになる予定です。この措置には関税に加えて、米国での倉庫維持費や物流費の上昇も影響しているとのことです。
一方、米国・カリフォルニア州に本拠を置くBigscreenは、自社製の小型VRヘッドセット「Bigscreen Beyond」シリーズの開発・販売を展開しています。最新モデル「Beyond 2」は2025年3月に発表され、初代モデルを上回る初動販売を記録しました。Bigscreenは、最終組立を米国ロサンゼルスにある自社工場で行っており、部品を米国外から輸入しています。今回の関税の上昇を受けて、Bigscreenは、この展開が想定されていたとし、「関税、貿易戦争、サプライチェーンの混乱によるコストはすべて吸収できると見込んでいます。当面はいかなる形でも価格を値上げする予定はありません。」との声明を、顧客向けに発しています。
なお、VR市場で最大のシェアを占める「Meta Quest」シリーズ開発元のMetaは、現時点で関税対応に関する公式な発表を行っていません。Meta Questシリーズは、コストパフォーマンスの高さで知られていますが、主要な製造拠点は中国にあるとみられています。
(参考)Road to VR、Bigscreen公式提供情報
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