中国のVRヘッドセットメーカーPimaxは、1億人民元(約21億円)を調達しました。同社は2024年12月に新型VRヘッドセット「Pimax Dream Air」を発表しており、本調達による資金は米国の研究開発チーム拡大と欧州での新規研究開発拠点設立に充てられる予定です。
本調達はシリーズC1+として行われ、諸暨経開創融投資がリードし、既存投資家のIvy Capitalが追加投資を行いました。2017年のシリーズA(1,500万ドル)、2020年のシリーズB(2,000万ドル)、2023年のシリーズC1(3,000万ドル)に続く資金調達となります。なお今回の調達により、同社の累計調達額は8,270万ドルに達しています。
Pimaxは2015年に設立された企業で、ハイエンドVRヘッドセットの研究開発と製造に特化しています。これまでは、広視野角のVRヘッドセットの展開に注力してきました。同社の事業はゲームエンターテインメント、プロフェッショナルデザイン、大規模文化観光、教育訓練、VR不動産など多分野をカバーしており、中国メディアによると、3年連続で売上高が約2倍の成長を達成している模様。現在、海外ユーザーが80%を占め、製品は国際市場で認知されているといいます。
2024年には「Pimax Crystal Light」「Pimax Crystal Super」「Pimax Dream Air」の3つの新製品を発表しました。
特に2024年12月に発表された「Pimax Dream Air」は、Apple Vision Proのようなデザインを特徴とするPC接続型VRヘッドセットです。マイクロOLEDディスプレイを採用し、片目3,840×3,552の解像度、102度の視野角、最大90Hzのリフレッシュレートを実現しています。本体重量は200gと軽量で、アイトラッキングやIPD自動調整機能も搭載。価格は1,900ドル(約30万円)で、2025年5月の出荷を予定しています。
本調達による資金は、主に2つの用途に活用される予定です。1つ目は米国の研究開発チームの拡大で、2つ目は欧州における新たな研究開発拠点の設立です。Pimax創業者の翁志彬氏は「これは主に当社の継続的な研究開発力、完全な製品ラインナップ、成熟した海外市場戦略、そしてグローバルハイエンドVR市場が安定的かつ急速な成長軌道に入っている大きなトレンドの恩恵です」と述べています。
(参考)Road to VR、36Kr
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