全世界で1億人以上がプレイするコンテンツを保有しながら、ARをプラットフォーム展開してきた世界最大級のAR企業が新たな展開を迎えます。
Nainticは、同社が展開している「ポケモンGO」、「ピクミンブルーム 」、「モンスターハンターNow」を始めとするゲーム部門を米国のモバイルゲーム企業スコープリー社に売却することを発表しました。NianticのARプラットフォームなどその他の事業は、新たに「Niantic Spatial Inc.」を設立して展開を進めます。
Nianticは、2015年にGoogleから地理情報チームの面々がスピンオフして独立しました。「テクノロジーを使って世界に豊かなデジタル体験を重ね合わせる」のビジョンの元、「ingress」、「ポケモンGO」など町を歩きながら楽しむゲームを次々とリリース、「位置情報ゲーム」のジャンルを築きました。
全世界1億人以上が遊ぶゲーム群を売却する大規模買収
今回、売却される「ポケモンGO」、「ピクミンブルーム 」、「モンスターハンターNow」の3タイトルは、合計ユーザー数が1億人を超え、ユーザーはこれまで累計300億マイルを移動、開催してきたライブイベントでは10億ドルを超える経済効果をもたらしています。
今回の売却に合わせて公開された、各ゲームの動向は以下の通りです。
「ポケモンGO」(2016)
・週間アクティブプレイヤー数は 2,000 万人を超え、2016 年のリリース以来、毎年モバイル
ゲームのトップ10にランクインしています。「トレーナー」として知られる『Pokémon GO』のプ
レイヤーは、これまでに480 億キロ( 300 億マイル)以上を共に探索しました。・世界 190 以上の国と地域で愛されているこの体験のまわりには、1日の平均プレイ時間が
40分という、非常に熱心なファンコミュニティが形成されています。全プレイヤーの約半数
が、毎日ゲームをプレイしています。・独自のライブイベントがこのタイトルをさらに推進しており、『Pokémon GO』のイベントには、
複数の大陸から何百万人もの人々が集まります。2024年だけでも、『Pokémon GO Fest』の
チケットが 200万枚を売り上げ、参加者は取り組み開始以来、合計で 1 億 5,000 万匹以上
のポケモンをゲットしました。「モンスターハンターNow」(2023)
・リリース後、わずか7ヶ月で1,500万ダウンロードを突破し、昨年10月には渋谷で初のリアル イベント「モンスターハンターNowカーニバル」を開催。2万人近くが参加しました。
・ユーザーの半数以上が毎日プレイするなど、スコープリーの既存のポートフォリオと同様に、 非常に熱心なプレイヤーコミュニティで知られています。「ピクミンブルーム」(2021)
・プレイヤーが植えた花のように、このタイトルは成長を続け、リリースから3年以上が経った 2024年に過去最高のアクティブプレイヤー数を記録し、同年には総歩数に3兆9,400億歩 (地球7,900周分) )を達成するなど、記録を更新する年となりました。また、日本、ドイツ、台 湾、米国などで対面イベントを開催し、東京の「ピクミン ブルーム ジャーニー」では1万人以 上が参加するなど、コミュニティを結びつける場を創出しています。「Campfire」と「Wayfarer」
・ 2024年だけで、600万人以上が「Campfire」を通じて対面でのミートアップに参加しました。
・「Wayfarer」ではプレイヤー自らがマップに新たなロケーションを追加しつづけ、2019年の開 始以来1,150万件以上の場所がゲーム世界に組み込まれました。ースコープリープレスリリース
今回の売却を経て、「ポケモンGO」、「ピクミンブルーム 」、「モンスターハンターNow」の3タイトル、そして関連アプリである「Campfire」、「Wayfarer」を運営するチームは、モバイルゲームを数多く運営するスコープリー社に丸ごと移動することになります。
スコープリーは、米国のモバイルゲーム会社であり、「MONOPOLY GO!」、「Stumble Guys」など世界的に人気のモバイルゲームを数多く有する企業です。2024年には世界第2位のモバイルゲーム企業となりました。親会社はサウジアラビアのサヴィーゲームズグループです。
売却金額は35億ドル(約5,200億円)。Nianticとスコープリーの両社は、事業移管後も各ゲームの長期的なロードマップを「その実現に向けて運営・開発チームをさらに力強くサポートしてくれる」とのこと。ゲーム、関連アプリは継続してサービス提供されます。
「ジオスペーシャルコンピューティング」に注力
一方、同社はゲームを制作・運営する以外にARが日常的になる世界を実現するための様々な取組を進めてきました。WebAR「8th Wall」、ARクラウド企業の6D.aiやEscher Reality、そして3Dスキャン「Scaniverse」などを買収し、年々その取組を拡大しています。今回の売却のプレスリリースの中でNianticは同社が取り組むARや地理空間情報の分野を「ジオスペーシャルコンピューティング」と呼んでいます。
Nianticは今回の売却の理由を、「近年のAIの急速な進歩により「ジオスペーシャルコンピューティング」は、新しい消費者体験や企業向けソリューションを生み出すカギになると、私たちは確信しました。同時に、世代を超えて「永く愛されるゲーム (forever games)」を創り続けたいという私たちの想いも、変わりません。これらを実現するために、私たちは2つの会社として新たに出発し、それぞれの目標を追求していくことを決めました。」と記しています。
Niantic Spatialは今後、2024年に公開した「Niantic Spatial Platform」を軸に、空間コンピューティング、XR、地理情報システム(GIS)、AIを統合し、センチメートルレベルの精度でデジタルと現実の物理の世界をシームレスに融合する没入感のある体験を創出するとしています。そして、長期的には、エージェントAIが活用できる「大規模ジオスペーシャルモデル」と呼ばれる世界モデルを構築することを目指しています。なお、Nianticのオリジナルゲームである「Ingress Prime」、「Peridot」は引き続きNiantic Spatialが運営を続け、ジオスペーシャルプラットフォームのリファレンスアプリケーションとして位置づけているとのこと。
(参考)Niantic、スコープリー

