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投資 2018.02.09

ARプラットフォーム開発の8th Wall 800万ドル資金調達

カリフォルニアのスタートアップ8th Wallは、独自のAR開発プラットフォームに対する800万ドル(約8.7億円)の資金調達を行ったことを発表しました。今回の資金調達で同社の総資金調達額は1,040万ドル(約11.3億円)になりました。

調達した資金は、今後発売されていくものも含め、すべてのスマートフォンに対応するARアプリケーションの数と質の向上のために使われるとのことです。

スマートフォンの境界をなくすARプラットフォーム

8th WallはiOSやAndroidを搭載した複数のスマートフォンに対応するARプラットフォームを開発しています。アップルの「ARKit」、グーグルの「ARCore」といった各社が提供するARプラットフォームとシームレスに連携します。高価なスマートフォンでも安価なスマートフォンでも、同じアプリケーションが動作します。

8th WallのCEO Erik Murphy-Chutorian氏は、米メディアVentureBeatのインタビューに対し、「私たちはモバイルAR用アプリケーションの開発をもっと簡単にできるようにしていきたいです」と述べています。また「今はフィジカルテクノロジーの時代を向かえており、この時代では今まで体験したことのない方法で、人々はテクノロジーと相互に作用していきます。ただこれは、私たちがテクノロジー全体と相互作用する方法の変化段階においては、始めの一歩にすぎません。8th Wallにはより早く変化を実現していく技術があります。」と語りました。


8th Wall CEO Erik Murphy-Chutorian氏。 Image Credit: 8th Wall

同社の開発するARプラットフォームでは、約25億台のスマートフォンでARアプリを利用することが可能になり、その市場規模を大きく広げています。

「新しいスマートフォンをターゲットにしつつ、同じアプリを既存のデバイスでも使えるという考え方を支持しています。開発者から、多くのスマートフォンがARを利用できない状態であることや、全体の15%しかARネイティブライブラリを使用できないという話を聞きました。私たちの技術は全体の95パーセントのスマートフォンでARを体験することを可能にします。」とMurphy-Chutorian氏は語ります。

広がるAR市場

8th Wallは空間内を自由に動き回れる6自由度(6DoF)のトラッキング用に高度に最適化されたコンピュータービジョンアルゴリズムをリリースしています。これにより、3D環境に置かれたオブジェクトを正確に検出することが可能となります。また、照明予測や平面検出、透かしのある影やカメラオーバーレイ、変形可能なサーフェスメッシュ用のAPIを使用します。これらのツールは、グラフィック専門でない開発者でも、クラウドサービスを使って複雑なグラフィックエフェクトを作ることを可能にします。

同社の技術はゲームエンジンUnityなどを含む既存の開発プラットフォームに対応しています。開発者はこのプラットフォームを使ってゲームやEコマース、小売、加工、建築、教育などの市場をターゲットにすることができます。

Murphy-Chutorian氏は、「ゲームに加えて一般的な市場もターゲットにしています。私たちがモバイルARの普及を加速させられると考えています。」と述べています。

(参考)

8th Wall raises $8 million for AR platform that works across most smartphones / VentureBeat(英語)
https://venturebeat.com/2018/02/06/8th-wall-raises-8-million-for-ar-platform-that-works-across-most-smartphones/


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