2023年3月7日、ドイツの大手光学機器メーカーZEISSグループは、2018年にドイツの大手通信会社ドイツテレコムと共同出資して設立したジョイント・ベンチャー、Tooz Technologiesの過半数株式を取得したと発表しました。
設立当初はZEISSとドイツテレコムが50%ずつ株式を保有していました。今回の株式取得によって、ZEISSはTooz Technologiesの単独オーナー企業となりました。
ZEISSグループはTooz Technologiesがこれまで通り独立的な存在で開発に注力すると表明。Tooz TechnologiesをZEISSグループの「AR/VR competence center(AR/VR分野でイノベーションを加速させるハブ)」と呼んでいます。
独Tooz Technologiesのスマートレンズ開発の展望
Tooz TechnologiesはAR/VR分野におけるスタートアップ企業で、2022年5月に眼科用(度入り)スマートグラス製品「tooz ESSNZ Berlin」をリリース。このウェアラブル端末には湾曲したウェーブガイドレンズを採用しており、従来のメガネのように視力矯正の役割も備えながら、スマートフォンとBluetoothで接続することで、レンズ上にさまざまな情報を表示したり、音声アシスタント機能を利用することが可能です。
Tooz Technologiesはプレスリリースにて、「将来的にはAR/VR光学系の他の機器メーカーに処方レンズ(度付きレンズ)を搭載し、統合された製品を世界市場に展開する予定」と述べています。
また、ZEISSのプレスリリースでTooz TechnologiesのCEOであるカイ・ストローダー博士は、「今こそ、独自のセールスポイントである生産パイプラインとイメージングシステムにおける視覚補正に集中する」と語っています。
ZEISSは日本でもカールツァイス株式会社(Carl Zeiss Co., Ltd.)として光学/写真/科学/医学用機器の輸入販売等を手掛けています。XR分野では、スマートフォンと組み合わせて使うVRデバイス「Zeiss VR ONE Plus」や「シネマイザー・マルチメディアグラス」など、過去にウェアラブルデバイスを製造してきました。また、同社はOculus Quest 2やPlayStation VR2など他メーカーのVRヘッドセット向けの視力矯正レンズを販売しています(独TwoSight GmbHが運営するオンラインストア:VR optician)。
参考:
公式、Road to VR
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