VRMコンソーシアムは、日本発の3Dアバターファイル形式「VRM」の国際標準化に向けて、The Khronos Group Inc.(以下、Khronos)との協力を発表しました。両社は、VRMの機能をKhronosが開発する3Dファイル形式「glTF 2.0」の公式拡張機能として統合することを目指します。これにより、日本国内で広く普及しているVRMの国際展開が加速し、グローバルなメタバース環境での相互運用性向上が期待されます。
VRMは、プラットフォームに依存しない日本発の3Dアバター向けファイル形式です。将来、メタバースがさらに普及した時代での利用も想定しています。従来の3Dモデルに必要なテクスチャやボーン情報に加え、視線設定など一人称視点での操作に必要な情報を扱うことができます。また、アバターの使用権限や暴力表現の可否など、VTuberやメタバース空間でのアバター利用に特化した権利設定機能も備えています。「バーチャルキャスト」「VRoid Studio」「cluster」など、国内の多くのVR/メタバースプラットフォームで採用されています。なお、VRMコンソーシアムはこの「VRM」の策定・普及を目的とした一般社団法人です。
一方、米国のクロノスグループ(KHRONOS Group)は、MetaやValve、Microsoftなど180社以上が参加する非営利の国際標準化団体です。3Dグラフィックスやメタバース、VR/AR向けの相互運用可能な標準規格の策定を行っており、VR/AR機器の統一規格「OpenXR」や3Dファイル形式「glTF」などを手がけています。特にOpenXRは、様々なVR/ARプラットフォームやデバイス間の仕様を標準化する規格として、Meta Quest、Steam VR、Windows Mixed Reality、PICOなど主要プラットフォームに採用されています。
今回の連携により、VRMはKhronos glTFの公式拡張機能「Ratified Khronos Extensions」への統合を目指します。VRMコンソーシアムによると「glTFはISO/IEC規格として認定されており、VRMが公式拡張機能として採用されることで、国際標準規格としての認知度向上が期待できる」とのこと。
両者は今後、具体的な統合内容や時期について協議を進め、国境を越えたメタバース環境の実現を目指していく予定です。
(参考)プレスリリース