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活用事例 2016.11.15

Snapchatのsnap社、バーチャル試着機能付き自販機で小売に参入か?

Snapchatを開発しているSnap Inc.は、11月3日、1日限定の取り組みとしてカリフォルニアのベニスビーチにバーチャル試着機能付き自動販売機(Bot)を設置して、カメラ付きサングラス「Spectacles」を発売しました。

Spectacles

最近、SnapはSpectaclesを開発していることが話題になっていましたが、加えて販売用の自動販売機である「Bot」も開発していたことが明らかになりました。Botは、目の前に立った人の顔を撮影するためのカメラを搭載しています。カメラで撮影した顔にSpectaclesのCGを重ね合わせて表示し、どの色のSpectaclesが自分に似合うかを確認できるバーチャル試着機能が搭載されています。

自分の顔とサングラスのCGを上手く重ねるために、Looksery社の顔認識技術を元にSnapが自社開発している技術が搭載されています。この技術は既に広告業界向けに発売されていて、Snapchatアプリ内で「Sponsored Lenses」と呼ばれていています。Sponsored Lensesの1日当たりの利用料は45万ドルですが、多くの会社が広告のため使用しており、大成功しています。

Spectacles

Snapchatは2017年のIPOを控えて、会社名を「Snap」に変えるのと同時にSpectaclesプロジェクトを公表しています。今のところ、Snapchatアプリ内で顔の部位を検出してCGと重ねる機能とSnapCodeと呼ばれる2次元コードをスマートフォンとSpctaclesのペアリングに使う程度で、他のARデバイス(HoloLensなど)より機能的には劣っています。

Spectacles

なお自販機であるBot自体もカメラを備えたARデバイスで、将来的にSpectacles以外の他社の製品をこの自販機で販売すると思われます。Spectaclesのベニスビーチでのテスト販売では長い行列になり大成功しています。AR自販機を用いた小売市場への参入は、Snapの独自戦略として進めるようになると考えられます。

今後も、Botはアメリカの大都市を回っていくと思われます。今のところ、Spectaclesを手に入れる方法はこの自販機のみ。次はどこにこの自販機が表れるか注目です。

https://www.youtube.com/watch?v=Vc9SOkPWqIQ&feature=youtu.be

今のところ、Botはサングラスの試着用のシステムですが、応用例を考えてみると、例えば映画の販促プロモーションで作品のキャラクターに自分がなりきった姿を見せるといた広告などに使えるのではないでしょうか。SnapはBotを利用して小売業界へも進出しようとしており、この分野でもARが広がっていくと考えられます。

(参考)
Snapchat’s Augmented Reality Vending Machines are Marketing Gold – (英語)
http://vrscout.com/news/snapchat-augmented-reality-vending-machines-marketing/

Spectacles – (英語)
https://www.spectacles.com/

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