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テック 2016.11.22

世界初の頭部移植手術でVRを活用へ

11月18日、「Royal College of Physicians and Surgeons of Glasgow」で行われた会議で、世界初の頭部移植手術を行おうとしているSergio Canavero氏は、新しい身体への適応をより円滑にするためのVRシステムを発表しました。

神経外科医であるSergio Canavero氏は、世界初となる頭部移植手術を2017年に予定しています。首から下が麻痺している患者が頭部移植手術を受ければ、再び歩くことができます。しかし、手術が成功したとしても、首から下は他人の体になるため、予期せぬ心理的な副作用が予想されます。

手術予定の患者はVRを用いて事前に数カ月ほどの準備を行うとしています。このためのVRシステムは、米国の「Inventum Bioengineering Technologies」が開発したとのことですが、詳細はなく、HTC Viveやハーネスによるシステムの写真が公開されたのみでした。

Canavero氏は会議で以下のように述べています。「患者のためにできる限り最善の方法を尽くし、新しい体と共に再び歩けるようになる世界への準備をしたい。」

現在、車椅子で生活しているロシア人のValery Spiridonov氏は、遺伝的な筋消耗の病気に苦しめられています。そこで、この初めてとなる頭部移植手術の患者になることを申し出ました。手術は、患者の頭部を凍結している間に、動脈や静脈をドナーの体とつなげます。脊髄をつなぎ合わせたあと、頭部を解凍し、皮膚をつなぎ合わせます。

これまで、Canavero氏は中国の研究者と共同でサルの頭部移植手術を行い、サルの血管をつなぎ合わせ、術後も脳への損傷なく生存したとしています。しかし、サルは20時間生存しましたが、脊髄はつなぎ合わせておらず、体は麻痺していたと考えられます。

今回の発表では、VRシステムについて詳細な発表がなかったため、準備の状況と合わせて続報が待たれます。

(参考)

VR Will Help World’s First Head Transplant Patient Prepare For New Body – (英語)

http://vrscout.com/news/vr-help-worlds-first-head-transplant-patient-prepare-new-body/

※Mogura VR は、VR Scoutとパートナーシップを結んでいます。


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