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開発 2025.04.10

DaVinci Resolve、最新版で「Apple Immersive Video」編集が可能に

空間コンピュータApple Vision Pro向けの没入型映像コンテンツ「Apple Immersive Video」に対応したサードパーティ製の編集機能が登場しました。米Blackmagic Design社が提供する動画編集ソフト「DaVinci Resolve 20」に新機能として追加。これまでAppleの純製ソフトウェアでのみ可能だった空間ビデオ(Immersive Video)の制作が、より多くのクリエイターに開かれます。

Apple Immersive Videoは、Appleの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」で体験できる専用の3Dビデオフォーマットです。左右の目用にそれぞれ撮影された高解像度の映像を使い、奥行きと立体感のあるリアルな映像表現が可能です。同じ「Apple Vision Pro」向けにiPhone 15 Proや16シリーズなどでも撮影できる「空間ビデオ」とは異なり、より高品質なコンテンツとなっています。映像は180度の視野角、最大8K解像度、毎秒90フレームで撮影され、HDR(明度表現)と立体音響にも対応しています。

今回、新機能が発表された「DaVinci Resolve」は、Blackmagic Designが開発する動画編集ソフトで、映像の編集から色補正、音声の調整まで一括で行えるのが特徴です。プロ向けソフトとして知られていますが、無料版も提供されています。

2025年4月時点で提供されている最新バージョン「DaVinci Resolve 20」のベータ版では、「Apple Immersive Video」の編集に対応しました。この機能により、立体的な映像の編集、色補正、空間音声の調整、そしてApple Vision Pro向けのデータ出力も可能です。

Blackmagic Designは、映像制作機器やソフトウェアを手がけるオーストラリアの企業です。プロ向けカメラやスイッチャー、編集ソフトで知られ、映画制作からライブ配信まで広く活用されています。

同社は2024年末に、Apple Immersive Videoに対応した専用カメラ「URSA Cine Immersive」の予約販売を開始しました。このカメラは1台約3万ドル(約450万円)と高価格ながら、左右の目用にそれぞれ8,160×7,200ピクセルの映像を撮影でき、16段階の明るさ調整が可能です。内蔵ストレージやリアルタイム編集機能も備えており、プロ向けの本格的な制作環境を提供します。

Blackmagic社が提供するカメラと編集ソフトの登場により、同形式のコンテンツ制作はアップル公式以外のサードパーティのクリエイターにも開放されたことになります。

今後、Appleや他社の取り組みによって、Immersive Videoのフォーマットがさらに一般化すれば、Apple Vision Pro向けの映像コンテンツが一気に広がる可能性があります。

(参考)UploadVRDaVinci Resolve 20

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