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活用事例 2025.01.31

スペースデータ、地球と宇宙のデジタルツイン活用に向けてUAEの宇宙センターと技術連携

株式会社スペースデータは、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターと、デジタルツイン技術に関する基本合意書を締結しました。本締結に基づき、両者はUAEにおけるデジタルツイン経済促進プラットフォームの構築と、UAE月探査ミッションに向けた月面デジタルツイン構築に取り組みます。

スペースデータは、本技術提携における具体的な取り組みとして、まずドバイの観光振興と経済活性化を目的としたデジタルツイン経済促進プラットフォームを開発するとしています。このプラットフォームではドバイをはじめとするUAEの都市環境を再現し、デジタル空間上で観光体験を提供する予定です。

また、UAE政府の衛星・気象データを統合し、災害予測を目的としたデジタルツインも構築。国際空港を中心とした開発エリアでの水害や気候変動のリスク対策に活用されます。


(スペースデータが開発したドバイのデジタルツインのデモ動画)

さらにムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターが開発する月面探査ローバー「ラシッド」の設計データと、観測データを活用した「月面のシミュレーション環境」を構築するとのこと。UAEの月探査ミッションで実施される月面探査計画の推進を目指します。

あわせて「宇宙飛行士向け月探査訓練デジタルツイン」も構築予定です。UAE宇宙飛行士の探査活動の効率化や訓練の精度や安全性向上を図り、月面の物理環境を含む高度なシミュレーション提供にも取り組みます。

ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターは2006年に設立されたUAEの宇宙技術開発機関です。これまでに複数の地球観測衛星を開発・運用し、月周回軌道に設置される国際宇宙ステーション「Gateway」向けのエアロックモジュール開発も進めています。

スペースデータは、2017年設立のスタートアップです。衛星データとAI技術、3DCG技術を組み合わせ、地球上の構造物を自動でデジタルツイン化する技術を開発しています。

同社の技術は、人工衛星から取得した地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化。3DCG技術によって石・鉄・植物・ガラスなどの材質も自動的に再現し、デジタルツインを生成します。2022年8月には14.2億円の資金調達を実施し、2023年7月からは国土交通省の「Project PLATEAU」のデータを活用した実証実験も開始しています。

(参考)プレスリリース


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