株式会社ソニーとドイツ製造業大手シーメンスが共同開発した業務用XRヘッドセット「SRH-S1」が2025年2月に発売されます。販売価格は4,750ドル。シーメンスのWebサイトより予約可能となっています。
「SRH-S1」は2024年1月にソニーより発表されました。高解像度1.3型OLEDマイクロディスプレイ(片目4K解像度)を採用し、ヘッドセット前方に搭載されたカラーパススルー用カメラにより、現実の風景の上に3DCGを重ねて表示します。クアルコムのXR向け最新チップセット「Snapdargon XR2+ Gen 2」が搭載されており、リアルタイムで高精細な3Dオブジェクトの描画を可能にしています。
また、特徴的なスティック型ポインターコントローラーとリング型コントローラーが付属。スティック型ポインティングコントローラーはXRでの精密な指示を、リング型コントローラーは直感的な操作を可能にします。
さらに、ヘッドセット全面を平行にあげる「フリップアップバイザー機能」により、ヘッドセットを装着したまま現実世界を視認できる設計となっています。
「SRH-S1」はシーメンスのCADソフトウェア「NX」とのみ使うデバイスであることが明らかになっています。続く2024年5月には、シーメンスがソニーと共同で新たな製品設計ソリューション「NX Immersive Designer」を発表しました。本ソリューションは、シーメンスのソフトウェア「Siemens Xcelerator」と「SRH-S1」を活用し、製品設計の効率や創造性向上を図ります。
具体的には、バーチャルモニターを使用して複数人での共同デザインレビューや、デバイスの音声コマンド機能、ハンドコントローラーを通した3Dモデルとの自然なインタラクション機能が搭載されており、設計・製造分野での使用を前提とした仕様です。
なお、ソニーは2025年1月、CES2025にて「SRH-S1」をベースにした新たなクリエイター向けソリューション「XYN(ジン)」を発表しています。XYNは、XRヘッドセット、3Dスキャンデバイス、モーションキャプチャデバイスの3つの要素で構成される空間コンテンツ制作ツールです 。「XYN」のヘッドセットは「SRH-S1」から派生したデバイスが採用される予定です。
(参考)SIEMENS、Road to VR
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