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業界動向 2022.11.08

テニスもVRでトレーニング リハビリで使用した選手がコートに復帰

VRトレーニングプラットフォーム「Sense Arena」を運営するSense Arenaは、テニス向けのVRトレーニングを開発しました。トップテニスプレーヤーのリハビリにも活用され、その効果が実証されつつあります。


(画像:Sense Arena)

アイスホッケーからテニスへとVRトレーニング対象を発展

Sense Arenaは、2017年創業のチェコに拠点を置くスタートアップ。VRトレーニングのプラットフォームである「Sense Arena」の開発・運営を行っています。同社は2018年にアイスホッケー向けのVRトレーニングを発表。複数のプロチームに採用された実績を持ちます。2022年8月には、テニス向けVRトレーニングを開発。世界のトップテニスプレーヤー数名とアンバサダー契約を結び、VRトレーニングの普及を進めています。

2021年全豪オープンのファイナリストであるJennifer Brady氏も、Sense Arenaのアンバサダーの1人。足の怪我によって14ヶ月以上欠場が続いていましたが、同社のVRトレーニングをリハビリに活用しました。同氏は、「私が望むよりも早くプレーに戻るという点で、VRトレーニングは非常に有益で、他のリハビリの妨げにもならなかった」とコメントしています。

VRトレーニング用ラケットや試合環境の再現で没入感を構築

Sense Arenaのテニス向けVRトレーニングは、独自に開発したVR用テニスラケットとVRヘッドセット「Meta Quest 2」と組み合わせて行います。このラケットは、グリップ感覚やスイングの際の抵抗感を再現できるため、本物のラケットのように練習できる、とのこと。


(画像:Sense Arena)

またユーザーは、トレーニング状況のアレンジが可能です。騒がしい観客席や片側が日陰になっているコートなど、実際の試合で直面する可能性のある条件を疑似体験できます。特定の場所にボールを打つと数字が表示され、ユーザーがその数字を記憶するというドリルトレーニングも備わっており、試合中の判断力や平常心を鍛えることも可能です。

同社のCEO兼創業者であるBob Tevita氏は、USATODAYの取材に対し「実際の試合のデータを取り込むことで、典型的な対戦相手に備えるための機能を追加していく予定です。ユースケースは多岐に渡ると考えており、テニス向けトレーニングは始まりに過ぎません」と発言しました。

野球、ゴルフなど国内外でスポーツのトレーニングにVRが採用され始めています。今後、様々なスポーツでVRトレーニング開発が広がっていくことが期待されます。

(参考)Sense ArenaUSATODAY


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