Nianticが運営する無料3Dスキャンアプリ「Scaniverse」は、3D画像データ向けの新しいファイル形式「.SPZ」をオープンソースとして公開しました。同形式を使うと「3D Gaussian Splatting」と呼ばれる3Dスキャン技術で撮影されたデータを、従来の約10分の1のサイズに圧縮することが可能。スマートフォンでの3Dスキャンやアプリケーション間でのデータ共有をより手軽にすることを目指しています。
ファイル形式「.SPZ」は、写真におけるJPEGファイルのように「3D Gaussian Splatting」のための汎用的なファイル形式となることを目指して開発されました。「3D Gaussian Splatting」は、画像ベースで点群を生成し、高精細な3Dデータを高速処理で生成する3Dスキャン技術です。
従来、出力に使われていたPLYファイル形式では屋外シーンの詳細なスキャンデータが250MB以上になることもあり、データの送受信や保存に時間がかかるという課題がありました。
SPZフォーマットの特徴は、スプラット特有の情報を効率的に保存できる点です。「3D Gaussian Splatting」取得データには、位置、回転、色、スケール、透明度、球面調和関数といった多数の情報が含まれています。これらの値に対して、独自の圧縮技術を適用することで、画質を維持しながらファイルサイズを大幅に削減しています。
.SPZは、Nianticのスキャンアプリ「Scaniverse」で既に実装されており、スマートフォンで撮影した3Dスキャンデータを即座に処理し、共有することができます。また、同社の無料XRコンテンツ制作ツール「Niantic Studio」でもSPZファイルのインポートに対応しています。
今回のオープンソース化により、MITライセンスの下で.SPZフォーマットが公開され、開発者は自由にこの形式を利用できるようになりました。
(参考)scaniverse