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開発 2025.02.28

サムスン、次世代“無彩色メタレンズ”の開発に成功 XRデバイスの軽量化への鍵となるか

サムスンと韓国・浦項工科大学校の共同研究チームが、色収差(画像の色ずれやにじみ)のない「無彩色メタレンズ」の開発に成功したと発表しました。

メタレンズは、従来の凸レンズと比較して大幅に薄く軽量化できる次世代光学部品として期待されていますが、色収差の問題が実用化の障壁となっていました。今回の研究では、新しい設計アプローチを採用することで色収差を解消し、さらにホログラフィックディスプレイと組み合わせることで、広視野角かつ歪みのない画像表示を実現したと明らかにされています。

メタレンズとは、ナノスケールの構造体で構成された平面レンズで、光の回折をコントロールすることができます。従来の凸レンズは通常数ミリ、時には1センチを超える厚さがありますが、メタレンズは一般的に0.5ミリ未満と非常に薄いのが特徴です。そのため、ディスプレイやカメラ用の次世代光学部品として大きな注目を集めています。

しかし、メタレンズには「色収差」という技術的課題が存在していました。色収差とは、レンズが全ての色を同じ点に集光できないことで発生する現象で、オブジェクトの縁に沿って色付きのフリンジ(縁取り)が現れ、画像の著しい歪みを引き起こします。この問題がメタレンズの製品開発における大きな障壁となっていました。


(実験結果から引用画像。左列の画像に「色収差」が顕著に現れている)

今回、サムスンとPOSTECHの共同研究チームは、メタレンズの従来の設計アプローチを見直すことで、この色収差の問題に取り組みました。従来の方法では、個々のメタ構造を独立して設計し、その後基板に組み立てるという手法が一般的でした。しかし研究チームは、設計段階ですべてのメタ構造間の相互関係を考慮し、それらを同時に設計するという新しいアプローチを採用したとのこと。

学術誌「Nature Materials」に掲載された研究論文「Roll-to-plate printable RGB achromatic metalens for wide-field-of-view holographic near-eye displays」によると、このアプローチによって製造後の色収差を効果的に解消することに成功しました。さらに、開発された無彩色メタレンズは焦点距離が短くなり、レンズのサイズと重量をさらに削減することにも貢献したそうです。

メタレンズには色収差以外にも光学収差の問題があり、画面サイズが大きくなるほど画像の歪みが悪化します。この問題は通常、複数のレンズを組み合わせることで対処されますが、研究チームは単一の無彩色メタレンズとホログラフィックディスプレイを統合することでこれらの問題を解決し、広視野角で明瞭かつ歪みのない画像を実現しました。

これらの技術検証の結果、従来のレンズとディスプレイを無彩色メタレンズとホログラフィックディスプレイに置き換えることで、コンパクトで軽量なデザインを実現しつつ、目の疲労の少ない仮想画像を提供できることが示されました。

サムスンは「この産学連携を通じて、革新的なアイデアの構想から実装までの全プロセスを検証し、さまざまな将来の光学システムを進化させ、次世代ディスプレイ技術を確保する可能性を確認した」と述べています。

(参考)Auganix


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