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業界動向 2022.11.09

Z世代に広がるメタバースのファッション Robloxのトレンドレポートが公開

オンラインゲームプラットフォーム「Roblox」は11月1日、Z世代のアバタースタイルを分析した『2022 Metaverse Fashion Trends Report』を公開しました。同レポートは、具体的な回答数値をもとにメタバースにおけるファッションについての詳細なデータや考察が盛り込まれており、メタバースファッションの重要性を示しています。


(画像:Roblox)

米国在住のZ世代1,000人に調査を実施

Robloxは、アメリカのアート・デザイン教育機関であるParsons School of Designと協働し
て本レポートを作成しました。Roblox自身が保有しているデータとアンケートの回答を元に構成されています。アンケート調査の対象者は、「Roblox」内で活動しデジタルファッションに精通している米国在住の14歳〜24歳の1,000人。2022年9月19日から21日にかけて実施されました。

本レポートでは、2022年のアバタートレンドのトップ5を紹介しています。尚、フルレポートはこちらから確認できます。

1. Robloxクリエイターのファッションへの影響力が加速

本レポートによると、2022年に「Roblox」で服やアクセサリーをデザインしたクリエイターは1,150万人以上とのことです。米国のデザイナー就業者数は、約3~4万人と推定されており、少なくともその200倍の人数がクリエイターとして「Roblox」で活動している事がわかります。

2022年に作成されたバーチャルアイテムは、6,200万点以上。近年は有名ファッションブランドのGucci(グッチ)、Burberry(バーバリー)、Carolina Herrera(キャロライナヘレラ)、Tommy Hilfiger(トミーヒルフィガー)や、コスメブランドのNARS(ナーズ)、ヨガウェアブランドのAlo Yoga(アロー)とのコラボレーションアイテムの発表が相次ぎました。またデジタルファッションのプラットフォーム「DressX(ドレス・エックス)」のアイテムも登場。アバターのカスタム機能である「レイヤード・クロージング・システム」の導入も相まって、「Roblox」におけるファッションのバラエティーの豊富さが強調されています。

2. デジタルファッションによる自己表現が不可欠。多様性も重視する傾向

調査対象の大多数は「自分のアバターをカスタマイズしている」と回答しており、その半数は少なくとも毎週アバターの服を変えている事もわかりました。

回答者の47%は「自分の個性をアバターファッションで表現」し、43%は「アバターに服を着せる事で自分自身を良く感じている」と回答。また調査対象全体の5人に2人は、「バーチャル空間で服やアクセサリーを用いて自分を表現することは、現実世界で自分を表現することよりも重要である」と回答しています。

また調査結果では、あらゆる種類の肌の色を求める割合は70%、体格では64%、髪の色や質感、髪型では70%となっており、回答者がアバターの身体要素における多様性も重視していることが伺えます。

以上の結果を踏まえて、Robloxは「現実空間と同様にRobloxユーザーは、バーチャル空間の見た目や服装で周囲の人とつながり、お互いに反応する傾向があり、自信や人間関係に大きな影響を与えている」と考察しています。

3. 4人に3人近くが、デジタルファッションに課金

デジタルファッションへ課金しているユーザーのうち、31%が「月に5ドルまで」、30%が「月に10~20ドルまで」、12%近くが「月に50~100ドル課金する」と回答。さらに25%以上が、バーチャルアイテム1点につき「20〜100ドル以上使ったことがある」と回答しています。

また回答者の53%が「その日の気分や感情によってスタイルを変える」、同37%が「バーチャル空間のどこで何をするかによって服を変える」と答えています。また「新しく買ったものをすぐに試着するために服を変える」という人は、全体の42%でした。

4. IRLのトレンドとアバターファッションが相互に影響を与える

調査では、回答者の70%は「自分のアバターは、自らのIRL(現実世界を意味する俗語:In Real Life)のファッションと似通っている」と答えました。同じく70%が、「アバターの着こなしから物理的なスタイルのインスピレーションを得ている」とも回答しています。

Robloxによると、「アメリカでのSNSトレンドである”#Barbiecore”や”Y2K nostalgia”から着想を得たファッショントレンドが、現実世界だけでなくRobloxにも波及している」とのこと。2022年1月から9月までのY2Kラベル付きアイテムの購入総額は、1億8,800万ドル(約274億円、2022年11月9日時点)を突破しました。

5. デジタルファッションの価値が上昇中

回答者の58%が、デジタルファッションデザイナーの職業としての価値について「現実のファッションデザイナーの価値と同等、またはそれ以上に印象的である」と考えています。

Robloxは、調査内容から「業界の研究結果は『Z世代は世界人口の約4分の1を占め、米国だけでもすでに数千億ドルの購買力を持つため、文化や経済への影響が大きい』と示唆しています。Z世代が没入型ソーシャル空間でより多くの時間を過ごすことで、デジタルファッションの名声と影響力が高まっています」とコメントしています。

(参考)Roblox Blog


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