3Dアバター生成ツール「Ready Player Me」は「Ready Player Me Avatar API」を発表しました。本APIにより、開発者は各アプリ・プラットフォームに合わせたReady Player Meアバターをより簡単に調整できるようになります。
メタバース間をまたぐアバターツール「Ready Player Me」
「Ready Player Me」はWolf3Dが開発している、ブラウザ上で利用できる無料のアバター生成ツールです。1枚の顔写真から自動でアバターを生成可能。同社は異なるバーチャル空間をまたいで「横断的に使用できるアバターシステム」を提供し、ユーザーが統一されたアイデンティティのもと、「メタバース」を楽しむ世界の構築を目指しています。
独自のAPIツールでアバターの横断的利用・各調整をより手軽に
今回発表された「Ready Player Me Avatar API」は、プラットフォーム間のアバター連携、および処理パフォーマンス向上を目的としたAPIです。APIに対応している複数プラットフォームやアプリ間において、単一のアバターを横断的に使える互換性を持たせることができます。
Ready Player Meによると、API内の各パラメータにはシンプルなデザインが用いられ、開発者は各機能を直感的に操作できる仕様となっているとのこと。上述した「相互運用性」に関する機能以外にも、以下のようなパフォーマンス向上に関わる機能が挙げられています。
・アバターに含まれるテクスチャサイズに上限を設定し、アバターのサイズとメモリ消費量を削減する機能
・メッシュLOD(Level of Detail)オプションを使用して、アバターのポリゴン数を減らす機能
・モーフターゲットのパラメータを使って、アバターにどのフェイシャルアニメーションを適用するかを決めることができる機能(ファイルサイズを小さくするために「何も使用しない」ことも可能)
・Dracoメッシュ圧縮を使用してアバターを圧縮することにより、ファイルサイズを削減する機能
・希望する解像度のテクスチャアトラスを生成し、単一ドローコールでアバターを取得する機能
・アバターのポーズと手の構成を定義するのに役立つ2つのパラメータを導入できる機能
加えて本APIでは、デスクトップ、モバイル、ウェブブラウザ、VRヘッドセットなど、デバイスに応じて別々の設定・保存が可能になりました。各デバイスのパラメーターを変更することで、同じアバターIDをシステムが要求しつつ「モバイルではテクスチャ解像度を落としたLOD 3を使用して、フェイシャルアニメーションモーフを削除」や「デスクトップPCからはLOD 0を使用し、最大のテクスチャ解像度を用いる」等の運用が可能になります。
さらに、これまでReady Player Meで作成したアバターの更新は「ユーザーが各アプリ内でReady Player Meエディタを使った場合」に限られていましたが、今後は「Ready Player Me Hubから連携済みアプリのアバターに更新を行った場合、各種連携済みアプリでもその更新が反映される」仕組みになります。
また米メディアのGamesBeatによれば、3D glTF形式のアバターリンクへのアクセスも容易になるとのこと。UnityやUnreal Engine、Webブラウザなど、ほとんどのプラットフォームで実行できます。なおReady Player Meにおいては「技術設定を調整し、特定のゲームに適合するようにアバターのLODをリアルタイムで調整できる」開発者向け機能も公開されています。
Ready Player MeのCTOであるRainer Selvet氏氏は、GamesBeatの取材に対して、「『Ready Player Me Avatar API』は、我々の努力の集大成です。私たちにとって大きな挑戦のひとつは、キャラクターは単にエンジンに組み込まれていて、アプリケーションに拘束されているものではない、という考え方にシフトすることです。人々は常にアイテムを購入するため、アバターキャラクターは常に変化し、アプリケーション内でリアルタイムに更新される必要があります」と語りました。