PTCジャパン株式会社は、京セラ株式会社のベトナム製造拠点にて、ARソリューション「Vuforia Expert Capture」を活用した従業員教育と安全管理の支援を開始しました。ARデータを活用した作業指示により、現地従業員の業務ノウハウの習得と安全管理の強化を目指します。
今回導入された「Vuforia Expert Capture」は作業を録画し、操作手順をARで重畳して表示できるソリューションです。切削工具を生産する機械工具部門に導入され、iPadに表示される動画データを確認しながら、作業手順を一つずつ確認することで、経験の浅い従業員でも正確な業務対応が可能となります。
京セラベトナムでは、特に事故防止への活用に重点を置き、砥石の交換方法などの段取り替えに関するコンテンツから制作を開始。今後は検査工程での手順や、加工条件の算出手順など、約20本のコンテンツを制作する計画です。作業の安全性向上と品質管理の徹底を図ります。
PTCは産業向けソフトウェアの開発大手です。独自技術であるARプラットフォーム「Vuforia」を活かした各種ソリューションを展開し、最近ではApple Vision Pro向けの3Dモデリングアプリケーション「Onshape Vision」も発表するなど、XRを積極的に活用しています。Vuforiaは、製造業向けARプラットフォームとして、作業指示や遠隔支援などの用途で活用されています。
今回、ARソリューション導入が実施されたベトナムの製造拠点(KYOCERA Vietnam Company Limited)は、京セラグループの主要製造工場の一つ。京セラの機械工具事業本部では、今回のARソリューション導入の効果が確認できれば、他の国内外拠点への展開も検討していく方針。現場責任者は「現在の従業員の中心はデジタルネイティブ世代であり、動画による操作教育に違和感や抵抗感はなく、的確な技術伝承が可能です」とコメントを寄せています。
(参考)プレスリリース