Oculus QuestシリーズのSDKが最新バージョン(v35)にアップデートされました。2021年10月に開催された開発者会議「Connect 2021」で予告された、「Voice SDK」と「Spatial Anchors」機能が実装されています。
「Voice SDK」は、使用することでデベロッパーが、音声でのアプリ内コンテンツの検索や、“音声を活用したゲームプレイ”を実装可能になるシステム。メタ(旧フェイスブック)が2015年に買収した「Wit.ai」で動作します。「Wit.ai」はサーバー側のアプリケーション。オフライン状態では利用できません。なお「Voice SDK」には、自然言語処理(NLP)が実装されています。この機能によってコマンドの認識やエンティティの解析、感情の分析(ポジティブ、ネガティブなど)が行えます。
メタによれば、「Voice SDK」を使用することでVRゲームに、音声での魔法詠唱やバーチャルキャラクターとの会話といった機能が実現できるとのこと。「Voice SDK」は11月のアップデートでQuest向けSDKに導入(テスト機能)されていましたが「App Lab」やOculus Storeで配信されるアプリに適用することはできませんでした。
「Spatial Anchors」は、MRに関連するテスト機能。アプリ側で、ユーザーが室内に設定した特定の場所にコンテンツを設置することを可能にします。Quest本体が設置されたアンカーの位置を記憶し、セッションを超えてコンテンツの位置を保存するとのこと。なお現段階において本機能は実験的なものであり、実際にストアで販売・提供するアプリには実装できない点に注意が必要です。
さらに2022年、メタは「Scene Understanding(シーン理解)」と呼ばれる機能を実装する予定です。設定プロセスは「Scene Capture(シーンキャプチャ)」と呼ばれており、室内の壁や家具などを手動でスキャン、天井高を設定できます。映像からは、パススルーに室内とMRコンテンツらしきものが同時に表示される様子が確認できます。
(参考)UploadVR
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