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業界動向 2023.01.30

NTTドコモ、バーチャル上の中部国際空港にて実証実験を実施。関係人口増大や地域活性化狙う

NTTドコモは、中部国際空港をバーチャル空間上に再現した「バーチャルセントレア」にて、仮想都市空間活用の実証実験を行いました。実験期間は2022年4月15日〜11月11日。同社は本実証実験の結果をもとに、地方都市の関係人口増大や地域活性化につながる技術の開発を進めます。

バーチャル空間が地方都市への関心を高める

ドコモはバーチャル空間を用いた現実での地域活性化の在り方を検討するため、これまで「バーチャル銀座」や「バーチャル道頓堀」などのプロジェクトに取り組んできました。

今回、愛知県・常滑市の中部国際空港を再現した「バーチャルセントレア」を構築。常滑市にゆかりのないドコモ社員と、常滑市にゆかりがある中部国際空港職員に周遊してもらい、バーチャル都市空間が地域に対する興味関心を与える効果について検証しました。

検証の結果、ドコモ社員からは「中部国際空港や常滑市に対する興味関心の向上」が認められ、中部国際空港職員からは「バーチャル都市空間の活用方法を自分たちで考え始める効果」を確認したとのことです。

バーチャル空間体験の課題、対策を検証

一方で「自由度の高いバーチャル都市空間では、どこで何をしたらよいのか迷ってしまい、魅力を十分に体感できないままバーチャル都市空間から退出してしまう」、「一般的に普及しているPCやスマホでは性能不足でバーチャル空間を体験できず、高性能PCを所有している人しかバーチャル都市空間を体験できない」といった課題が以前より指摘されていました。

ドコモはこのような課題に対して下記取り組みを実施し、本実験にてその効果を測定しました。

・バーチャル空間におけるユーザーの行動範囲に看板を設置。人の心理に働きかけるメッセージを表示させ、特定の場所への訪問効果を約20%改善。

・ユーザーへの介入有無と実際の行動ログから、バーチャル空間におけるナッジの有用性を検証。バーチャル都市空間の周遊性を向上させた。

・ユーザーアクセスに応じて動的にレンダリングサーバーを縮小・拡張するオートスケール機構を開発し、運用費用を約 37%削減。クラウドレンダリング技術を安価に実装することで、デバイス性能を気にせずバーチャル空間を体験できる環境を構築した。

ドコモは今後、バーチャル都市空間の活用を利用した地方都市の関係人口増大に向けて「行動変容技術のさらなる高度化」や「バーチャル空間を体験する機器性能に依存しない誰でも参加できるバーチャル都市空間の構築」により、単発で終わらない継続的なにぎわいづくりに取り組む、としています。

なお本実証実験の取り組みは、2023年2月2日からオンライン開催する「docomo Open  House’23」で紹介される予定です。

(参考)プレスリリース


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