中国のARスタートアップnrealが「CES2019」にて発表したメガネ型ARグラス「nreal light」。本体がおよそ85gという、その軽量や手軽さから話題となりました。
本記事では、「nreal light」を米メディアUploadVRの記者が体験した際のレポートを紹介します(※記事中の感想は同メディア記者によるものです)。
「軽量」なメガネ型デバイス
「nreal light」は、その名前が示すとおり「軽量」なARグラスを目指して設計されています。本体に搭載された4基のカメラにより空間認識を行い、動き回っても空間に表示されたオブジェクトが固定されたように見える、6DoFのトラッキングが可能です。本体がおよそ85gというその軽量性、メガネ型のARグラスとしては広めの視野角(52°)などから話題になっています。
記者が体験した場所は、スペイン・バルセロナで2月25日から開催されたモバイル技術の展示会、MWC 2019(Mobile World Congress 2019)会場。デバイスの外見はスリムで、サングラスと見紛うほど。このスマートさの秘密は、バッテリーやプロセッサを搭載した処理部分を、外付けの機器に依存していることです。Qualcomm Snapdragon 855を搭載したスマートフォンか、同チップを使用するユニットが必要となります。
最も没入感の高いAR体験の1つ
記者が初めに体験したデモは、サッカーの試合のバーチャルスクリーンでした。映像はシャープで鮮明、スクリーンに近づいたり離れたりしても、トラッキングは安定していたと言います。但し体験したブースが狭く、52度という視野角を完全に確認することは困難でした。
次に体験したデモはダンスや戦闘シーン等の3D映像です。先程よりもさらにデバイスの可能性を感じさせるもので、特に子猫が床を歩き回っているデモには心を奪われたとのこと。記者がしゃがんでよく見ようとすると、猫も見つめ返してきました。記者は「これまでに体験した中で最も没入感の高いAR体験の1つだった」と高く評価しています。
これらデモに加えて最も印象に残った点が、デバイスの快適性です。本物のサングラスよりはやや大きいものの、85gという重量はどのARグラスよりも軽く感じるものでした。スマートフォンと接続するワイヤは片方のつるの端から伸び、イヤホンワイヤのように違和感がありません。
総合的に、ブースの狭さなどスペックの確認に制約はあったものの、デモは記者の期待をはるかに上回る優れたものでした。
なお、nreal lightの発売時期や価格について、公式な発表は行われていません。
ARグラス、各社が小型化へ
フェイスブックやマイクロソフトを含め、ARデバイスの小型軽量化へは各社の注力が見られます。スマートフォンのように日常的に使用されるデバイスを目指し、研究開発が続けられています。
(参考)UploadVR