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業界動向 2022.04.28

Metaのメタバース部門、2022年1Qの売上は前年同期比35%増の約890億円 Quest 2が好調

日本時間2022年4月28日、Meta(旧Facebook)は2022年度第1四半期の業績を発表しました。全社としての第1四半期の売上は279億800万ドル(約3兆5,814億円)、利益は85億2,400万ドル(約1兆910億円)でした。メタバース構築に取り組むReality Labs部門では、6億9,500万ドル(約890億円)の売上、29億6,000万ドル(約3,790億円)の損失でした。

前回の決算発表である2022年2月には2021年度の通期決算が発表され、Metaのメタバース部門であるReality Labsの部門別の業績が初めて明らかになりました。2021年の第1四半期と比較し売上は35%増加。一体型VRヘッドセット「Meta Quest 2」の販売が売上を押し上げています。一方で損失は前年同期比55%の増加となり、メタバース構築に舵を切った2021年中盤以降の投資強化を反映しています。

「Horizon」Web版は2022年内にリリース

投資家向けのEarnings Callの中で、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は直近の戦略を説明しました。1点目に「メタバースを構築する戦略の中心にあるのはソーシャルプラットフォームであること」と主張。Metaが展開しているソーシャルVRプラットフォーム「Horizon Worlds」に言及しました。サービス開始の次の段階として、コミュニティの拡大とメタバース内の経済圏構築に取り掛かるとのこと。なお「Horizon Worlds」は記事執筆時点では北米でのみサービスが展開されており、日本からは利用できません。

コミュニティの拡大について、「Horizon Worlds」のWeb版を2022年中にリリースすることを明らかにしました。Web版ではVRヘッドセットを持っていなくても、スマートフォンやPC、そしてQuest以外の様々なデバイスからアクセスできるようになります。ザッカーバーグ氏は「メタバースを体験する最高の方法は、VRやARのプラットフォームを通して体験すること」と明言しており、「対応デバイスの拡充は、体験の質を担保する以上に、アクセスのしやすさを向上し、より多くのユーザーを引き込むことをまずは優先した」と説明しています。

経済圏については「Horizon Worlds」内のクリエイターが収益を得て、さらに活動を活性化できるようマネタイズの仕組みを導入していくとコメント。すでに「Horizon Worlds」ではテスト的なマネタイズ手法の導入が開始されています。

2022年内発売予定の「Project Cambria」は業務用途

続いてザッカーバーグ氏はハードウェア関連について説明。Metaは、2021年に発表した一体型VRヘッドセット「Project Cambria」(開発コードネーム)を2022年中に発売予定です。すでにアイトラッキングや表情トラッキング、フルカラーで現実を見ることのできるパススルー機能などが発表されていますが、今回ザッカーバーグ氏が明らかにしたのは、「Project Cambria」の用途。「仕事で使うことをユースケースとして想定している」とし、「いずれノートPCや仕事の環境に取って代わるだろう」と話しました。

また、今後メタバースに様々なVRヘッドセットがアクセスできるようになる展開に備え、「Metaのデバイスはアバターの表現など、最高のメタバースを体験できる」と自社のポジショニングを明らかにしました。「Project Cambria」の詳細は、数ヶ月以内に発表される予定です。

(参考)Meta


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