株式会社kiwamiが開発したバーチャル店員による接客システム「xR Cast Concierge」が、マックスバリュ関東の2店舗で2024年8月より稼働しています。人感センサーを搭載し、来店客に自然な声がけができる機能に加え、10月より新たに商品の売場検索機能が追加。同社は、導入から1週間の利用実績が約200件であったと明らかにしました。
マックスバリュ関東では、東京都西東京市の田無芝久保店と神奈川県川崎市の津田山店に、株式会社kiwami開発のデジタルサービスカウンターを導入しています。常時スタッフが待機する必要のない無人カウンターとして機能し、店舗の人員配置の最適化を実現。特に津田山店では人感センサーを搭載しており、来店客を検知すると自動的にバーチャル店員が声をかける仕組みを採用し、デジタルカウンターへの心理的なハードルを下げる工夫がなされています。
デジタルサービスカウンターには、3DCGのバーチャル店員による自動応対システム「xR Cast Concierge」が導入されています。本システムの特徴は、基本的な案内は自動で行いながら、詳しい説明が必要な場合は店舗スタッフのスマートウォッチに通知を送り、人による対応へスムーズに切り替えられる点です。また、スタッフは遠隔でカウンターを操作でき、動画による案内なども可能となっています。
今回新たに追加された商品の売場検索機能は、店舗の効率化に大きく貢献しています。従来、商品の場所を尋ねる来店客への対応は、その都度スタッフが案内する必要がありましたが、本機能により来店客が自分で検索できるようになりました。kiwamiは「導入後1週間で約200件の利用があり、来店客の利便性向上とスタッフの業務効率化の両面で効果を発揮した」とコメントしています。
開発元の株式会社kiwamiは、2019年2月に設立されたスタートアップ企業です。3DCGアバターを活用した通話システムやキャラクターデザイン、システム開発まで一貫して手がけています。同社は特殊なゴーグルを必要としない「裸眼VR」技術も独自に開発しており、「労働人口減少時代における店舗DXのソリューションとして、バーチャルとリアルを融合させた新しい顧客体験を提供する」としています。
同社は今後、スーパーマーケットのサービスカウンターだけでなく、ホテルのフロント、マンション管理、観光案内所など、様々な場面での活用を目指す方針です。