Home » Magic Leap実機がブラジルのTV番組で使われる 動画はすでに削除


Magic Leap 2018.06.21

Magic Leap実機がブラジルのTV番組で使われる 動画はすでに削除

情報をほとんど表に出さないことで知られるMagic Leapのデバイスが、突如ブラジルのテレビ番組に登場しました。本拠地である米国ではなくブラジルの放送でデモが公開されたことは、驚きをもって受け止められています。

なお、すでにこのTV番組を録画したYouTube動画は削除されています。

“巨額の調達を繰り返す謎の企業”Magic Leap

Magic Leapは米・フロリダに本拠地を構え、現実にデジタルな情報や3Dモデルをまるで現実にあるかのように見せるMR(複合現実)デバイスを開発中です。同社はグーグルやアリババなどの大企業から累計23億ドル以上を調達し、世界中から注目を集めてきました。

また、Magic Leapは情報をほとんど表に出さないことで知られており、長らく“巨額の調達を繰り返す謎の企業”として扱われていましたが、2017年末にはようやくMagic Leap Oneという名称とデバイスの外見を、そして2018年3月のGDCでは開発用のSDKを公開しました。

W杯ロシア大会をイメージしたデモか

映像を見る限り、司会者が装着しているのは間違いなくMagic Leap Oneです。また腰には、バッテリーとプロセッサを内蔵した「Lightpack」と呼ばれるデバイスをつけている様子がうかがえます。デバイスのサイドには、デモ用だと示す白いラベルが貼られています。

残念ながら番組はポルトガル語で進行しており、すでにYouTube上の動画も削除されています。そのため詳しい内容は不明です。ARメディアNext Realityに残されたGIF画像からはアニメーションキャラクターが司会者の前で動く様子が見てとられます。2匹のクマ(ワールドカップロシア大会を意識したものと思われます)と、ブラジルのサッカープレイヤー、ネイマールを模したキャラクターが、画面中央でサッカーのように動いています。

資金調達が背景?販売開始に期待

これがMagic Leap Oneを通して見られるAR映像なのか、視聴者に「ARとはどういうものか」を示すテレビの合成なのかは不明です。

また、なぜテレビ初公開がブラジルの番組なのか、視聴者にデバイスについて説明しようとしているのか、背景もはっきりしません。

1つヒントになるのは、昨年10月にMagic Leapが5億ドル超の資金調達を行った際、出資者にブラジルのTVネットワーク企業Grupo Globoが参加していたことです。デバイスが披露されたのは、この放送局の番組でした。この繋がりを元に、Magic Leap Oneが今回の公開に至ったのではないかと、推測できます。

それでもなお、Magic Leapが、米国や他の国からは見られないようなブラジルの番組で使われたことは興味深い事実です。

今回の公開について良いニュースと言えるのは、長らく待ち望まれたMagic Leapのデバイス販売が近づいていそうだ、ということです。間もなくMagic Leap Oneを手にすることができるのか、期待が高まります。

(参考)Next Reality


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード