「Magic Leap 2」がARデバイスとして初めて、医療用電気機器の国際技術規格であるIEC 60601を取得しました。「CES 2023」にて、Magic LeapのCEOであるPeggy Johnson氏が明らかにしました。
ISOと並ぶ国際規格
「Magic Leap 2」が取得したIEC 60601は、IEC(*1)が策定する標準規格のうち、医療用電気機器の安全性と有効性に関する国際技術規格です。同じく国際規格のISO(*2)は工業や科学技術に関する規格であり、IECはISOと並ぶ国際規格として知られ、標準規格(ISO/IEC)を共同策定することもあります。
Magic Leapは、2022年1月に複数のヘルスケア企業と提携。その一社であるSentiARが「Magic Leap 2」を使用した外科手術向けソリューションを開発し、「Magic Leap 2」は本ソリューションにおける医療補助機器としてIEC認証を受けました。
外科手術における無駄な動きを省く
両社によると、これまで執刀中の医師は心臓などの実際の施術部位と、カテーテルの位置を確認する画面を見比べる必要がありました。しかし本ソリューションを使用すると、医師は心臓の3Dマップとカテーテルの位置をリアルタイムで重ね合わせた映像を「Magic Leap 2」を通して確認でき、より安全な手術を行えるとのことです。
SentiARの外科手術向けソリューションは現在、FDA(*3)の審査を受けており、2023年後半には提供開始予定です。
*1:国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)や、その標準規格。
*2:国際標準化機構(International Organization for Standardization)や、その標準規格。
*3:アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)や、当局が行うアメリカで医療機器を販売するために必要な市販前認可。
(参考)Magic Leap, 日本規格協会