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業界動向 2022.01.18

「セカンドライフ」のLinden Labに創設者が復帰、メタバース分野での成長狙う

メタバースの先駆けとも言われるバーチャルワールド「セカンドライフ」。その運営を行うLinden Labが、VR関連企業High Fidelityからの出資を受けたことを報告しました。High Fidelityは「セカンドライフ」の創設者であるフィリップ・ローズデール氏が創業した企業。今回の出資と同時に、ローズデール氏もLinden Labに戦略顧問として復帰します。

Linden Labは、1999年に創業された企業。「セカンドライフ」のほか、ソーシャルVRサービス「Sansar」の運営(2020年に売却)で知られています。プレスリリースによると、今回の出資は資金のほか、特許やHigh Fidelityのメタバース関連チームの参加なども含まれているとのこと。

「セカンドライフ」は、現時点でサービス開始から19年が経過しています。Linden Labによれば、現在の年間“GDP”は、6億5,000万ドル(約750億円)に達しているとのこと。今回の出資は「セカンドライフ」のオペレーションの拡大に繋がるほか、革新的かつ多様性のあるメタバースの成長につながると説明しています。

今回の出資について、ローズデール氏は以下のようにコメントしています。

「セカンドライフ」のようなバーチャルワールドの制作に成功した人はいません。大企業がVRヘッドセットを配布し、広告主導の行動修正プラットフォームでメタバースを構築しても、マジカルで単一な、皆のためのユートピアにはならないのです。

「セカンドライフ」は、その住人にとってのポジティブかつ豊かな体験――何百万人が参加可能な――を生み出し、サブスクリプション形式のビジネスも作り上げることに成功したのです。バーチャルワールドは、ディストピアである必要はないのです。

「メタバース」の加熱止まらず

2021年のフェイスブック(現メタ社)の改名を皮切りに、「メタバース」への注目度は急激に高まり続けています。2021年12月には、スポーツ用品メーカーのアディダスが、NFT関連からメタバース事業への参入を告知。日本ではグリー株式会社が2021年8月、傘下のREALITY株式会社を中心に参入することを発表しています。

このタイミングでローズデール氏がLinden Labに事実上の復帰を果たしたのは、非常に興味深い出来事と言えるでしょう。バーチャルワールドの「老舗」が今後どのように動いていくのか、注視しておく必要がありそうです。

(参考)Linden Lab


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